研究課題/領域番号 |
13670141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
奥宮 明子 神戸大学, 医学部, 助教授 (10107948)
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研究分担者 |
小西 英二 神戸大学, 医学部, 助教授 (40135786)
片岡 陳正 神戸大学, 医学部, 助教授 (80071398)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | プロテアーゼ / ウイルス / プラスミン / インヒビター / 感染 / カリクレイン |
研究概要 |
MRSA複合感染によるウイルス感染症の重症化に与るプロテアーゼの役割を解明することを目的とした。具体的には黄色ブドウ球菌のプロテアーゼにより活性化された血液凝固・線溶系酵素がウイルスの活性化・増殖を促進する、という可能性に着目し、インヒビターを用いてこの過程の解析をめざした。得られた成果を以下に述べる。 1)精製酵素によるウイルス活性化作用の解析 炎症局所で活性化される可能性の高い擬固・線溶系の酵素およびトリプシンのセンダイウイルスの増殖能を検討した結果、プラスミンおよびトリプシンはセンダイウイルスの感染力価を増加させたが、トロンビンおよびトリプターゼは用いた濃度では活性化作用を示さなかった。プラスミンおよびトリプシンによる活性化作用は活性部位指向型のインヒビターPASI535 (Nα-(4-aminomethylbenzoyl)-4-(3-picolyloxy)-L-phenylalaninen-hexylamide)およびMNAPPA ((2R,4R)-4-phenyl-[Nα-(7-methoxy-2-naphthalene-sulfonyl)-L-arginyl]-2-piperidinecarboxylic acid)により強く阻止され、活性部位指向型の小分子合成インヒビターがin vitroでウイルス感染を阻害する有用な手段であることが示された。 2)黄色ブドウ球菌培養液中のプロテアーゼによる合成基質分解と小分子合成インヒビターによる阻害効果 尿路感染症患者尿より分離した黄色ブドウ球菌の培養上清硫安分画は、ヒト血漿ユーグロブリン分画とあわせると合成蛍光基質bocValProArgMCA分解やフィブリン形成作用を示した。これらの作用は、黄色ブドウ球菌が放出するコアダラーゼがヒトプロトロンビンと結合して生じたスタフィロトロンビンによると考えられた。合成トロンビン・インヒビターアルガトロバンは上記スタフィロトロンビンの活性を強力に阻害した。スタフィロトロンビンの協力なインヒビターはいまだ報告されておらず、感染局所におけるフイブリン形成へのコアグラーゼ/スタフィロトロンビンの関与を解明する上で、本インヒビターは有用な手段となると期待される。
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