研究課題/領域番号 |
13670174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河内 茂人 山口大学, 医学部, 講師 (80284511)
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研究分担者 |
佐々木 功典 山口大学, 医学部, 教授 (80116722)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | in situ RT-PCR法 / メッセンジャーRNA / 血管内皮増殖因子 / オステオポンチン / 滑膜肉腫 / キメラ遺伝子 / P27 / 予後因子 / in situ RT-PCR / パラフィン包埋組織 / 非特異的標識 |
研究概要 |
in situ RT-PCRには増幅したcDNAの検出方法の違いから直接法と間接法があり、直接的in situ RT-PCR法は操作は簡便であるが非特異的標識や偽陽性所見が多く、一方、陽性所見に対する信頼性が高く非特異的標識が少ない間接的in situ RT-PCR法は、操作が煩雑となり実用性に乏しいとされている。われわれは直接的in situ RT-PCR法程度の簡便な操作で信頼性の高い結果の得られるin situ RT-PCR法を開発した。血管内皮増殖因子およびオステオポンチンmRNAに対するin situ RT-PCR法を施行し、その成果を英文学術雑誌に発表した。腫瘍特異的キメラ遺伝子の発現が特徴であるとされる軟部腫瘍のうち滑膜肉腫、末梢性神経外胚葉性腫瘍については、そのキメラ遺伝子mRNAに対するin situ RT-PCR法を試み、その成果を複数の学会で発表した。in situ RT-PCR法の主な問題点である非特異的標識の回避についてはPCR反応条件の最適化、PCRプライマーの改良、nested PCRあるいはstep down PCRの手法を併用すること等により解決を計った。滑膜肉腫は紡錘形細胞肉腫に分類され、軟部肉腫の中では比較的頻度の高いもののひとつである。P27蛋白はサイクリン依存性キナーゼを抑制し細胞周期を負に制御する因子として知られている。滑膜肉腫におけるP27蛋白発現頻度の予後因子としての意義を検討したところ、発現高頻度群は低頻度群に比して有為に予後良好であった。P27蛋白にはアポトーシスとの関連も指摘されている。P27蛋白発現高頻度かつアポトーシス低頻度の滑膜肉腫群は、P27蛋白発現高頻度かつアポトーシス高頻度群およびP27蛋白発現低頻度群よりも有為に予後良好であり、P27蛋白とアポトーシスというふたつのパラメータによる解析は滑膜肉腫のより正確な予後推定、悪性度診断に寄与し得ると考えられた。
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