研究課題/領域番号 |
13670175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
廣川 満良 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80173277)
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研究分担者 |
佐野 壽昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80154128)
堀口 英久 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40304505)
若槻 真吾 徳島大学, 医学部, 助手 (70294668)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 甲状腺 / 乳頭癌 / 大腸ポリポーシス / APC遺伝子 / 篩状型 / モルラ / βカテニン / ret / ptc遺伝子 |
研究概要 |
現在、甲状腺の乳頭癌には種々の亜型が報告されているが、各々が独立した疾患概念として認められるべきか否かは未だ十分に解析されているとは言いがたい。それらの中で我々は家族性大腸ポリポーシスに合併する甲状腺篩状・モルラ型乳頭癌を対象に研究を行ってきた。この亜型は極めて予後のよい乳頭癌であり、その発生にはAPC遺伝子の胚細胞突然変異が関与しているとされている。我々は5例の篩状・モルラ型乳頭癌を検索したところ、APC遺伝子の胚細胞突然変異がみられたのは1例のみであった。一方、βカテニン遺伝子(CTNNB1)の体細胞突然変異は全例にみられ、これが腫瘍の発生に関与していることが示唆された。また、本腫瘍では通常免疫組織化学的に細胞膜に陽性局在を示すβカテニンが核内および細胞膜に発現することが特徴的とされているが、CTNNB1の突然変異の存在がこの現象の説明を可能とした。また、本亜型にみられるモルラは形態的に予後不良なびまん性硬化型乳頭癌にみられる扁平上皮化生と混同されることがあることから、両者の相違点を明確にする目的で免疫組織化学的検討を行った。モルラは高分子量サイトケラチンに陰性ないし弱陽性で、βカテニンでは細胞質が弱陽性で、核に陽性局在を示すものもみられた。一方、扁平上皮化生部は高分子量サイトケラチンに陽性で、βカテニンは細胞膜が陽性であった。Bcl-2はモルラが強陽性で、扁平上皮化生部は陰性であった。モルラの発生にはβカテニンの遺伝子変異が関与しており、扁平上皮化生の初期像でないと結論した。
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