研究課題/領域番号 |
13670210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
小杉 伊三夫 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10252173)
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研究分担者 |
筒井 祥博 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50073135)
土田 孝 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30317755)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / ウイルス / サイトメガロウイスル / 脳障害 / ウイルスベクター / 遺伝子導入法 / サイトメガロウイルス |
研究概要 |
マウスCNS幹細胞へのMCMV-IE遺伝子導入法の確立:ウイルスベクターを用いて幹細胞にMCMV-ie1遺伝子の導入を試みた。ウイルスベクターは当初用いていたアデノ随伴ウイルス(AAV)からマウスレトロウイルス(MSCV)に変更した。MSCVのLTRの制御下で蛍光蛋白(EGFP)のみを発現するベクターと、IRESを挟んでEGFPとMCMV-IE1蛋白を同時に発現するベクター(bicistronic vector)を設計した。これらのベクタープラスミドをパッケージング細胞(PT67)に導入し、ピューロマイシン耐性とEGFPの蛍光をもとにレトロウイルス産生細胞株を比較的短期間で効率良く樹立することができた。さらに、レトロウイルスベクターで幹細胞に遺伝子導入する際に、幹細胞を機械的に分散させ遠心法によって効率良く遺伝子導入する方法を開発した。導入遺伝子発現幹細胞を薬剤耐性とフローサイトメトリーにより選択的に分離し、100%近くまで濃縮することに成功した。 IE遺伝子産物のCNS幹細胞機能に及ほす影響の解析:上記遺伝子導入実験に平行して、導入されたie遺伝子産物の幹細胞機能に及ぼす影響の解析を行った。まず、遺伝子導入された幹細胞を付着させ分化誘導させる培養条件(細胞密度、血清濃度、増殖因子濃度)を確立した。さらに、幹細胞から分化した、神経細胞及びグリア細胞を免疫染色によって同定した。その結果、IE1蛋白は幹細胞の神経細胞への分化を抑制することが明らかとなった。今後は、この現象をフローサイトメトリー、ウェスタンブロット、免疫沈降法、RT-PCR等を用いて詳細に解析する予定である。 遺伝子導入幹細胞の新生児・胎児脳、脳スライス培養系への移植実験:幹細胞の移植実験に先だって、マウス新生児脳への遺伝子導入実験及び新生児脳へのウイルス感染実験を行った。遺伝子銃を用いた遺伝子導入によって脳室周囲の幹細胞・前駆細胞に遺伝子導入が可能であることを実証した。また、感染実験によってCMV脳室脳炎におけるinnate immunityの役割を明らかにした。 これらの成果をLab Invest及びAm J Patholに掲載することができた。
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