研究課題/領域番号 |
13670213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高原 和彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90301233)
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研究分担者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ランゲルハンス細胞 / ランゲリン / FISH / TGF-β / 樹状細胞 / zymosan / マンナン / C型レクチン / 多重体 |
研究概要 |
ランゲリンはヒト樹状細胞の一種である皮膚ランゲルハンス細胞に発現するC型レクチン分子である。本研究では、始めにマウスを用いてランゲリンの詳細な解析を進めるためにマウスランゲリンをコードすると思われるcDNAを同定し、FISHによる遺伝子マッピングの結果、これがヒトランゲリンのマウスカウンターパートであることを確認した。またデーターベース解析の結果、ランゲリンの遺伝子構造がヒトとマウス間で良く保存されていることが確かめられた。 次に、RT-PCRによって表皮および真皮におけるランゲリンmRNAの発現を検討したところ、両者共にその発現が見られた。しかしながら、ランゲリン抗体によるマウス皮膚の免疫染色を行った結果、表皮ランゲルハンス細胞のみに発現が確認された。一方、ヒトでは皮膚、扁桃、肺等に限られたランゲリン蛋白の発現が、マウスにおいては皮膚のみならず体表及び腸間膜リンパ節、脾臓、胸腺等のリンパ器官に加え、肝臓等にも広く認められ、さらに体表リンパ節、脾臓、肝臓については、これらの組織の中のCD8α^<high>CD11b^<low>樹状細胞サブセットのみにその発現が限られることを明らかにした。 また、ランゲリンのネックドメインに疎水性アミノ酸のheptad repeatsの存在を見いだした。そこで蛋白架橋剤を用いた実験を行い、その結果組み換えランゲリン分子が二量体、四量体を経て多量体を形成することを確認した。さらに、ランゲリンがデキストランや微生物細胞壁に見られるマンナンを認識すること、および実際にランゲリントランスフェクタントが糖蛋白質であるオボアルブミン並びに酵母細胞壁成分zymosanを捕捉することを明らかにした。以上の結果から、マウスにおいてはランゲリンはある種の樹状細胞特有の糖蛋白抗原・微生物取り込みレセプターとして働いている可能性が考えられる。
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