研究課題/領域番号 |
13670221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
今村 隆寿 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20176499)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / システインプロテアーゼ / 歯肉線維持芽細胞 / CD14 / T細胞 / CD4 / CD8 / 慢性化 / 歯周病菌 / トリプシン様プロテアーゼ / マトリックスメタルプロテアーゼ / DNAチップ / 好中球 / 歯肉上皮細胞 |
研究概要 |
歯周病は主としてPorpyromonas gingivalisの持続感染による慢性炎症によって引き起こされる。本菌の産生するトリプシン様システインプロテアーゼ(ジンジパイン;HRgpA, RgpB, Kgp)は菌自体のハウスキーピングや、感染過程だけでなく、歯周病に関わる様々な病理作用を持つ。筆者らは、ジンジパインの血漿カスケード反応系の異常活性化による生体機能撹乱作用を明らかにしてきた。今回は、昨年に引き続き細胞機能に対する作用を検討した。培養ヒト歯肉線維芽細胞をジンジパインで処理すると、プロテアーゼ活性に依存して0.03μMから濃度および処理時間に相関してLPS受容体CD14の抗原性が減少し、最も強力なHRgpAは、0.3μM、30分で比較的特異的にCD14をほぼ完全に分解した。HRgpAで処理した歯肉線維芽細胞は10ngLPS刺激によるIL-8産生ほぼ半分に低下した。 これらの結果は、ジンジパインが歯肉線維芽細胞のCD14を分解することによってLPS刺激による活性化を減弱させ、IL-8による好中球浸潤を抑制して好中球によるP.gingivalisを貪食、殺菌から防御していることが示唆された。また、ジンジパインはT細胞の抗原認識に関与するCD4とCD8をも分解することがわかった。この作用もHRgpAが最も強く、0.1μM、30分処理でCD4、CD8抗原ともに消失した。P. gingivalis培養液で処理したT細胞は、レクチンのConAやPHAによる活性化が低下し、しかもこの効果は、システインプロテアーゼを活性化する2-MEで増強されることから、ジンジパインの関与が明らかとなった。このように、ジンジパインは宿主防衛に関係する細胞の膜受容体を分解してその活性化を抑制しており、これによってP. gingivalisは長期生存が可能となって感染が持続し、炎症が慢性化することが示唆される。
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