研究課題/領域番号 |
13670223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩史 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (80253847)
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研究分担者 |
片岡 寛章 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10214321)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | HGF / HGF Activator (HGFA) / HGFA in hibitor (HAI) / 消化管粘膜上皮 / 上皮再生 / ノックアウトマウス / HGF Activator(HGFA) / HGFA inhibitor(HAI) / HGF activator / HGF activator inhibitor / Knock out mouse / Gastrointestinal mucosa / Trefoil peptides / Wound Repair / Experimental ulcer |
研究概要 |
我々はこれまで、肝細胞増殖因子(HGF)を特異的に活性化させるセリンプロテアーゼであるHGF Activator (HGFA)、及びその活性調節因子であるHGF activator inhibitor type-1 (HAI-1)及びtype-2(HAI-2)が、消化管潰瘍性病変の回復期において高発現されることを報告してきた。本研究では、HGFAおよびHAI-1ノックアウトマウスを作製し、その解析をおこなった。ノックアウトマウスは遺伝子の一部ををネオマイシン耐性遺伝子におきかえることで不活化したターゲットベクターを、常法どおり遺伝子導入し、交配させることによって作製した。HGFノックアウトマウスは肝臓及び胎盤の形成不全により胎生致死であるが、HGFAノックアウトマウスは正常に生まれ、正常に生殖能も持っていた。HGFの活性化能はノックアウトマウス血清中には認められないので、HGFAの機能は完全に欠損していた。実験的にデキストラン硫酸を経口投与して作製した大腸炎では、コントロールマウスは投与中止後3日目には一部うっ血や浮腫が認められるもののほぼ粘膜上皮の再生が完了しているのに対し、ノックアウトマウスでは、投与中止後もまだ炎症が引き続いており、粘膜上皮の再生が遅延する傾向にあることが判明した。このことより、正常な成長時のHGFの活性化にはHGFAは関与していないか、あるいは他の酵素で代償されている可能性が考えらるが、炎症や組織障害後の消化管粘膜上皮再生にはHGFAによる局所でのHGFの活性化が大変重要で大きな役割を果たしていることが示唆され、難治性消化管潰瘍性病変の治療にHGFAが活用できる可能性が考えられた。一方、HAI-1ノックアウトマウスはヘテロマウスの交配によっても生まれてこないので胎生致死である可能性が考えられ、この遺伝子はマウスの発生、発育に必須であることが判明した。
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