研究概要 |
本研究の直接の目的は多倍体細胞を樹立し、多倍体化に伴う細胞形質の変化を求めるものである。3年間の研究で、4,6,8,10,12,16,18倍体Meth-A細胞及び3,4,6倍体V79細胞が樹立できた。この内、4,8,倍体Meth-A細胞と3倍体V79細胞が論文として報告されており、他は投稿中あるいは投稿準備中である。多倍化に伴う細胞形質の変化として、温度依存性、血清濃度依存性及び細胞膜糖鎖量が測定され、多倍体化に伴う細胞形質変化を観測することができた。 本研究は細胞内DNA構造に関する既存の概念を大幅に修正しようとしている。具体的には高橋学(故山口大学名誉教授)のDNA構造モデル(DNAフラクタル構造モデル)を多倍体細胞に拡張したモデル(ゲノムフラクタル構造モデル)を作成し、染色体はほとんど独立していると考えている既存の概念では説明できない現象を説明しようとした(Cell Prolif.2002,2003)。このモデルに基づく概念を広く知らしめるため、2冊の著書(1冊は高橋学の著書の翻訳本)を出版した。研究成果報告書(冊子体)の前半はゲノムフラクタル構造モデルを記載している。
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