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トロホブラスト細胞膜リン脂質フロップへの自己抗体の干渉に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670239
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 実験病理学
研究機関大阪府立母子保健総合医療センター研究所

研究代表者

和田 芳直  大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 代謝部門, 部長 (00250340)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード抗リン脂質抗体 / フォスファチジルセリン / 血栓 / 補体 / H因子 / アポトーシス / 補体H因子 / 流産 / 血栓症 / 胎盤 / 絨毛上皮細胞 / factor H
研究概要

自己抗体である抗リン脂質抗体aPLが特に子宮内(あるいは胎盤)において血栓を好発する原因は明らかでない。血栓が好発する妊娠初期には絨毛や子宮蝶旋動脈など血液に接する面でアポトーシスが起こっていることが知られており、その隙に、血液に暴露する陰性荷電リン脂質、具体的にはフオスフアチジルセリン(PS)、は凝固の素地になるはずである。従って、aPLの分子病態論を構築するには、PS露出に際して当然起こり得るべき凝固を防止する生理機構の解明が必要であり、その機構のaPLによる破綻あるいはかく乱によって説明されるべきであろうと考えた。
そこで、オクチルセフアロースに固相化したPSにイオン的に結合する血漿成分をプロテオーム技法により探索した。支持体として用いたオクチルセフアロースはリポタンパク質など脂溶性分子に対して親和性があるので、そのような非特異的結合成分を未処理の固相化オクチルセファロースで予め血漿から除いておいた。その結果、β2GPI, IHRP、補体第4因子,factor H, FHR-1の5つのタンパクが挙がった。
PS結合性が知られているβ2GPIが検出されたことは、この方法が所定の目的を達しているであろうことを示していた。その他の分子についてはリン脂質結合タンパク質としては分類されていない。中でも、factor Hは自己膜面上でC3bに結合することで、非自己膜に対しては起こるべき補体活性化を制御していることが知られており、factor H欠損症では腎微小血管血栓を病理像とする溶血性尿毒症症候群を起こし、aPLもまた腎梗塞、腎微小血管血栓が好発であることを考えると、分子病態との関わりは容易に推測できる。他の分子も含め、この実験結果は陰性荷電リン脂質の血液への暴露に際し、補体経路が非炎症的な制御のための役割を果たしている可能性を示唆した。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 和田芳直, 坂本真由美: "抗リン脂質抗体の新しい分子病態論に向けて"大阪府立母子保健総合医療センター雑誌. 17. 54-61 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 和田芳直: "Annual Review免疫2004"中外医学社. 315(7) (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Wada Y, Sakamoto M: "New insight into the molecular pathology of anti phospholipid syndrome"Journal of Osaka Medical Center & Research institute for Maternal & Child Health. 17. 54-61 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Wada Y.: "Exposure of phosphatidylserin and complements"in Annual Review Immunology 2004 (Eds. Okumura, Hirano, Satou) (Chugaiigakusha, Tokyo.). 277-283

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kumazaki K, Nakayama M, Suehara N, Wada: "Expression of vascular endothelial growth factor(VEGF), placental factor(PGF), and their receptors Flt1 and KDR in human placenta under pathological conditions"Human Pathology. 33(11). 1069-1077 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kumazaki K, Nakayama M, Sumida Y, Ozono K, Mushiake S, Suehara N, Wada Y, Fujimura M: "Placental features in preterm infants with periventricular leukomalacia"Pediatrics. 109. 650-655 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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