研究課題/領域番号 |
13670251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
青木 克己 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)
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研究分担者 |
渡辺 幹次 (渡部 幹次) 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
藤巻 康教 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (10209083)
丹羽 正美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20136641)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 住血吸虫 / ミラシジウム / 貝分泌物 / ケモ・クリノオカイネシス / 走化性 / レクチン / WGA / cAMP / 感覚器 / ケモ・クリノカイネシス / 情報伝達 |
研究概要 |
研究目的:住血吸虫ミラシジウムは中間宿主貝への侵入の一手段として貝分泌物(Snail Conditioned Water : SCW)に対してケモ・クリノカイネシスを示す。線虫幼虫は感覚器官amphidsがレクチンで処理されると走化性を消失することが知られている。ミラシジウムのSCWへの走化性発現は、SCWが体表の感覚乳頭で受容されることから始まると考え、レクチンを用いた薬理学的手法を用いてSCW受容器の存在を明らかにする実験を計画した。 実験材料と方法:各種レクチンをミラシジウムに投与しミラシジウムの遊泳行動変容とSCWへの走化性運動発現を観察した。WGA、PNA、GS-II、MPAの4種のレクチンを用いた。 実験結果と考察:用いたレクチンの中で、WGAのみが高濃度(100μg/ml)でミラシジウムの遊泳行動に変化(頻回の遊泳方向転換)を及ぼした。またミラシジウムはWGA250jug/ml以上の濃度で10分以上処理されるとSCWへの走化性を消失した。以上の結果はSCWの受容器が体表に存在し、WGAはこの受容器(感覚乳頭)を被覆するので、ミラシジウムのSCWへの走化性を抑制することを示唆する。 近年我々は膜透過性cAMPがSCWと同様ミラシジウムに走化性を惹起させることを報告した。そこでWGAよりSCWへの走化性が抑制されたミラシジウムのcAMPへの反応を調べた結果、cAMPへの反応はWGAにより抑制されないという興味ある結果を得た。このことはcAMPが走化性発現の情報伝達経路でセカンドメッセンジャーとして働いている可能性を示す。細胞内cAMP濃度を低下させる試薬(MDL-12,330A・SQ22536;inidazole)とProtein kinase A阻害剤(PKI(14-22)amide)で10〜20分処理したミラシジウムのSCWへの走化性運動を観察したところ、ミラシジウムのSCWへの走化性が低下していることを明らかにした。これらの結果はミラシジウムのSCWへの走化性運動発現の情報伝達にcAMPが関与することを示唆する。
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