研究課題/領域番号 |
13670283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
田口 晴彦 杏林大学, 医学部, 講師 (20146541)
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研究分担者 |
大崎 敬子 杏林大学, 医学部, 助手 (90255406)
神谷 茂 杏林大学, 医学部, 教授 (10177587)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Mycoplasma pneumoniae / 肺炎 / マイコプラズマ肺炎 / 炎症性サイトカイン / 炎症誘導菌体成分 / TH1 / 無菌マウス / 感染実験 / 宿主炎症性サイトカイン / 菌体成分 / Th1 / リンパ球サブセット |
研究概要 |
マイコプラズマ肺炎の発症病理を明らかにすることを目的として、無菌マウスにMycoplasma pneumoniae(以下M.p)感染実験を行い、細菌学的・病理学的・免疫学的検討を加えた。 M.p M129感染マウスでは、肺に10 ^<6-7>CFUのM.pが定着していることが確認され、32倍の血清抗体価の上昇を認めた。感染マウスでは、再感染により気管支肺動脈周囲および気管支周囲に炎症細胞の浸潤が観察され、著明な肺炎を認めた。肺炎が惹起されたマウスの肺内リンパ球サブセットはCD4陽性、CD8陽性、CD25陽性T細胞の割合が上昇し、炎症性サイトカイン産生性の亢進が認められた。 これらの結果より、M.p感染マウスのTh1優位な免疫応答とM.pの宿主炎症性サイトカイン誘導能がマイコプラズマ肺炎成立の基盤であることが示唆された。 M.pは細胞壁を保有しないためLPSなどの炎症誘導菌体成分を有していない。そこで、M.p菌体中の宿主炎症性サイトカイン誘導成分を検索した。 M.p M129株菌体成分中には、急性リンパ芽球性白血病T細胞(MOLT-4)およびM.p M129感染マウス肺内リンパ球よりIL-4またIFNγを誘導する分画が存在した。しかしながら、宿主炎症性サイトカインを誘導するM.p菌体成分をマウスに経鼻吸入させたのみでは顕著な肺炎を惹起することができなかった。 今回の研究では、世界で初めてマウスにM.p感染により肺炎を惹起することができた。M.p M129株中には宿主炎症性サイトカインを誘導する菌体成分が存在し、感染マウスのTh1優位な免疫応答を介してマイコプラズマ肺炎が惹起されることが示唆された。今回、その菌体成分によりマウスに肺炎は惹起されなかったが、今後、宿主炎症性サイトカインを誘導する菌体成分を精製し、菌体成分のみで肺炎が惹起されるか検討を行いたい。
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