研究課題/領域番号 |
13670294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 福井大学(医学部) |
研究代表者 |
後藤 敏 福井大学, 医学部, 助教授 (00211920)
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研究分担者 |
竹内 健司 福井大学, 医学部, 助手 (40236419)
小松 孝行 福井大学, 医学部, 助手 (20215388)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | センダイウイルス / C蛋白質 / アクセサリー蛋白質 / STAT1 / STAT2 / インターフェロン / シグナル伝達 / リン酸化 / GAF / GAS / パラミクソウイルス / STATs / 免疫回避 |
研究概要 |
センダイウイルス(SeV)が感染した細胞は、インターフェロン(IFN)に対して不応答になる。ウイルスのこの抗IFN能は、SeV P遺伝子がコードしているアクセサリー蛋白質の一つ-C蛋白質-の働きによる。3年間の研究を通じて、以下のことが明らかとなった。 1.C蛋白質は、IFNシグナル伝達上の因子-signal transducer and activator of transcription (STAT) 1-と結合し、低塩濃度で高分子複合体を形成する。 2.C蛋白質のC端半分の領域とSTAT1のN端領域が結合する。 3.C蛋白質は、STAT1・STAT2・STAT3を含むSTATsのリン酸化過程に影響を与える。 4.C蛋白質は、STAT1の脱リン酸化を抑制する。 5.IFN-αが細胞膜レセプターに結合すると、STAT2とSTAT1がチロシンリン酸(pY)化される。 C蛋白質は、このSTAT2のIFN-α刺激pY化を強く抑制する。この抑制がIFN-αシグナル伝達阻害機構の本質と考えられる。 6.IFN-γ応答阻害機構は、IFNm-α応答阻害機構とは異なる。STAT1のIFN-γ刺激リン酸化は、C蛋白質存在下でも抑制されない。リン酸化STAT1は、homodimer (gamma-activated factor (GAF))を形成し、gamma-activated sequence (GAS) siteに結合することによりIFN誘導遺伝子を活性化する。IFN-γ応答抑制能をもつC蛋白質C端半分の断片は、SIAT1に結合し、GAFとGASとの結合を阻害した。したがって、full-sizeのCも、GAF-GAS結合を妨げていると考えられた。 7.C蛋白質は、STAT1に結合できなくても、IFN-γ応答をかなりの程度阻害できる。この阻害機構の解明は今後の研究課題となった。
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