研究課題/領域番号 |
13670322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 春巳 山口大学, 医学部, 助教授 (70235985)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | PI3キナーゼ / p85α / Btk / ノックアウトマウス / シグナル伝達 / B細胞 / Akt / bcl-xL / PI3K / ノックアトマス / シグナルム伝達 / マクロファージ / p85 / 免疫 |
研究概要 |
本研究ではB細胞以外の免疫担当細胞におけるPI3Kの機能を検討するとともに、B細胞のシグナル伝達におけるPI3Kの詳細な機能を明らかにすることを目的として以下の実験を行った。 PI3K欠損マウスにおける様々な免疫担当細胞の分化を解析した結果、T細胞、NK細胞、マクロファージ、樹状細胞、好中球の分化はいずれも正常であったが、消化管中の肥満細胞数は著しく低下しており、肥満細胞の分化にPI3Kが必須であることが示された。マクロファージおよび樹状細胞では、IL-12,18刺激によるIFNγ産生、LPS+IFNγ刺激によるNOの産生が強く抑制されていた。しかしながらNO産生の主要経路であるNOS-2蛋白の誘導は正常であり、NOSの翻訳後調節にPI3Kが関与していることが示唆された。また、好中球ではGM-CSF依存性のシグナル伝達が、血小板ではglycoprotein VI/FcRγ依存性のシグナル伝達が抑制されていた。 B細胞のシグナル伝達の詳細な生化学的解析により、いくつかの興味深い知見が得られた。B細胞受容体(BCR)刺激によるBtkの活性化はPI3Kに依存するものとこれまで考えられてきたが、PI3K欠損B細胞におけるBCR依存性のBtkの活性化は全く阻害されないという予想外の結果を得た。さらに、PI3K阻害剤によっても以前言われていたようなBtkの活性化および膜移行の阻害が起こらないことを注意深い生化学的解析により明らかにした。また、NF-kBの活性化はPI3KとBtkの双方に依存し、PI3K欠損マウスにbclxLを外来遺伝子として強制発現させるとB細胞の分化異常がほぼ完全に回復することを示した。以上の結果からPI3K欠損マウスとBtk欠損マウスの表現型は酷似しているが、両者は単純な上下関係ではなく独立した異なる機能を持つことが明らかとなった。
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