配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
わが国の小児科医の間ではロタウィルスが軽症化してきているという認識があるが,これはロタウイルス下痢症による入院患者が何人に一人の割合で発生しているのかという疫学的事実に基づいているわけではない。最初のロタウイルスワクチンは腸重積症という副反応が原因で頓挫してしまったが,第二世代のロタウイルスワクチンの臨床利用はまじかである。本研究では,わが国でロタウイルスワクチンが必要であるか否かという議論をするにあたって,地域全体の中で,出生コホートのうち何人に一人が生後5年以内にロタウイルスによる重症下痢症のために入院するのかという推定値をうることを目的とした。平成14年度では,平成13年度に引き続き,秋田県大館市にある総合病院を定点として,この総合病院の小児科を受診する5歳未満の全症例を対象に急性下痢症の重傷度を症状スコアにより評価するとともに,急性期の便検体からELISA(ロタクローン)によりロタウイルスの同定を行う実施計画を実施中である。今年度の暫定的集計結果によれば,5歳未満の小児1000人のうち年間約3.4人がA群ロタウイルスによる下痢症のために入院することがわかった。したがって5歳に達するまでの累積罹患率は17人になり,これは前年度の8人を大きく上回るものであった。予備的な推定として,5歳に達するまでに59人に一人がロタウイルス下痢症により入院すると計算された。
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