研究課題/領域番号 |
13670420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 加奈子 (渡部 加奈子) 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (70288546)
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研究分担者 |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | キャピラリーガスクロマトグラフィー / ヘッドスペース抽出 / 低温オーブントラッピング / 質量分析 / 揮発性有機化合物 / スチレン / アルキルナイトライト / 覚せい剤類 / アルキルアルコール / アンフェタミン / メタンフェタミン / 大容量注入 / n-butylnitrite / isobutylnitrite / isoamylnitrite / n-butylalcohol / isobutylalcohol / isoamylalcohol / headspace / cryogenic oven trapping / n-hexane / cychlohexane / sevoflurane / isofulurane / enflurane / halothane |
研究概要 |
最近の研究で我々は世界に先駆けて、揮発性有機化合物(Volatil Oganic compound : VOC)を簡便かつ高感度に分析する手法を開発し、低温オーブントラッピングキャピラリーガスクロマトグラフィー(Cryogenic oven trapping gas chromatography : COT-GC)と命名した。最近のGCはマイクロコンピュータ制御部分が発達しており、GCオーブン温度を迅速かつ正確に低温冷却できるようになった。これは本来、一度昇温したオーブン温度を素早く冷却する事で分析時間を短縮するために開発されたものである。我々はこのシステムをVOCを高感度分析するに利用し、クロロホルムを手始めとして、内因性エタノールや青酸など、法中毒分野でしばしば問題となる重要な薬毒物について一連の研究を展開し、大変良好な結果を得て専門国際雑誌へ発表した。 COT-GC機器の構成は最近のGCに液化炭酸ガスボンベをオプションで装着しただけの安価な装置である。ヒト全血や尿などの生物試料からの薬毒物の抽出は、ヘッドスペース(Headspace : HS)抽出という簡便な手法を用いるため、分析方法も簡便である。高感度を得る理由は、抽出したHS気体の大容量(5mL)を低温冷却したGCへスプリットレスモードで注入するためである。高温の気化室に注入した気体試料は冷えたカラム入り口の狭い領域に凝集シ、ロスなくトラップされる。そのため、ピークはシャープになり、分離も良好になる。例えばスチレンの場合GC初期温度は20℃であり、280℃までの昇温分析を行う。従来のスプリットモードを用いたHS-GC分析に比べると、約10〜100倍の感度を得る事ができる。法医学実務において、血液などの分析試料が微量しか得られない場合はもちろん、環境化学にも応用できる有用性の高い分析法である。 この度の基盤研究(C)(2)研究期間中は、スチレンとその関連物質、アルキルナイトライト分解産物であるアルキルアルコール類、誘導体化した覚せい剤類についてCOT-GC分析法の詳細を確立した。誘導体化した覚せい剤類については、実際に覚せい剤中毒で死亡した事例の全血と尿につき本法を用いて定量し、質量分析計(Mass spectrometry : MS)を用いてピークの同定確認も行い、本法の有用性を確かめた。結果を国際専門雑誌へ投稿した。
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