研究概要 |
1.ラットを8週間5%のエタノールで飼育し,摘出した胸部大動脈を種々agonistを用いisometric tensionを測定した。慢性のエタノール投与は平滑筋細胞におけるprotein kinase Cのspeclficなsignal transduction systemの抑制を介してphenylephrineの収縮が抑制されていると思われる。 2.ラットから摘出した上腸間膜動脈を用い,各種agonistおよび経壁的電気刺激によるisometric tensionを測定し,エタノールの影響を検討した。まず,内皮由来の過分極因子(EDHF)による弛緩反応に対するエタノールの影響を検討した。エタノールは内皮細胞でのEDHFの産生を抑制していることが示唆された。また,上腸間膜動脈は経壁的電気刺激により収縮し,この収縮はtetorodotoxinとguanethidine, prazosinで抑制された。この収縮はadrenergic nerveから放出されたcatecholamineにより収縮していることを示唆している。この収縮反応はnitrenergic nerveからのNOやsensory nerve由来のcalcitonine-gene related peotide(CGRP)によって修飾されていることが示唆された。またこの収縮反応はエタノールによって抑制され,神経終末からのcatecholaminの放出などの抑制によるものと考えられた。
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