配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus type 1:HIV-1)感染症に対する対策は世界規模で重要課題である。感染者の増加が確実に認められる現状の中で、有効な中和抗体を誘導するワクチン開発は急務である。我々はクレイドBに属するHIV-1の60%を中和できるモノクローナル抗体RC25を用いてファージ・ライブラリーをスクリーニングし、反応エピトープを持つファージを絞り込んだ。さらに、RC25と反応性の異なる中和抗体0.5βとRIE324-12の交叉反応性をドットブロット法で調べ、交叉反応の強い6種のミモトープ(NSV, APE, APS, SDF, YPW, YPL)を同定し合成ペプチドを作製した。これらをKLHに結合させ、動物に免疫したところ、十分な力価の抗ペプチド抗体を認めたが、HIV感染細胞への反応性は弱く、中和活性も検出できなかった。ファージ上での抗原構造が合成ペプチドでは失われる可能性を考え、NSVファージそのもので家兎を免疫し、ペプチドカラムで特異抗体を精製、分析したところ、弱いながらも反応性と中和活性が認められた。我々はまた、ファージキャプチャーアッセイの実験系を作り抗原の立体構造を保ったまま交叉反応性を検討した。新たに同定したIGGというRC25反応性ファージに加えNSV, APEについて検討したが、有意な交叉反応性は認められなかった。これまでの研究では理想的な交叉反応性のペプチド配列を同定できなかったが、立体構造を保った状態での解析システムが構築できた。HIVに対するワクチン開発には広範囲のウイルス株に対する中和抗体の誘導が不可欠である。効果的な中和抗体の誘導法の開発は未だに世界中の研究者が解決できない難題であり、今後も研究を継続する必要がある。
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