研究課題/領域番号 |
13670485
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
|
研究分担者 |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | IL-18 / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン / NK活性 / MyD88 / Tyk2 / IL-18受容体 / CD4+cells / TH1サイトカイン / TH2サイトカイン / CD4+ cells / インターロイキン18 / インターフェロンγ / 炎症 / アレルギー / シグナル伝達系 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
IL-18受容体はIL-1受容体と、相同性が高く、特に細胞内ドメインの相同性は著しく高い。しかし、IL-1と異なり、IL-18は免疫応答上多様な活性を示す。IL-18はIL-12と共存すると、強力にTh細胞からのIFN-γ産生を誘導するが、IL-2と共存すると、Th2型のサイトカインの産生を促進する。また、IL-18はIL-3と共存すると、マスト細胞や好塩基球からのヒスタミン遊離を促す。さらに、IL-18単独刺激でNK細胞からのIFN-γ産生を誘導し、また、NK細胞障害活性を増強する。このような多様なIL-18の生理活性が、シグナル伝達系の相違に依存するのか否かを当該研究にて検討してきた。その結果として次の項目が明らかとなった。 1.NK-細胞の障害活性の増強並びに、NK細胞からのIFN-γの産生には、細胞内アダプター分子であるMyD88が必須であることが明らかとなった。また、JAK kinaseの一員であるTyk2も重要な働きを果たす。Tyk2欠損NK細胞をIL-18で刺激しても、IFN-γの産生は、野生型のそれに比べて顕著に低値であった。同刺激により、野生型NK細胞はNK活性を亢進して、NK細胞感受性の細胞はより強く傷害された。しかし、TyK2欠損NK細胞はIL-18刺激に対して、NK活性の亢進が観察されなかった。このように、NK細胞の活性増強並びにIFN-γ産生誘導にいたるIL-18のシグナリングにはTyk2並びにMyD88が必要であることが判明した。 2.MyD88欠損CD4陽性T細胞あるいはTyk2欠損CD4陽性細胞は、野生型CD4陽性T細胞に認められるIL-18とIL-12の刺激に対するIFN-γ産生誘導が観察されなかった。このように、CD4陽性細胞がIFN-γ産生誘導にいたるためのIL-18のシグナリングにはTyk2並びにMyD88が必要であることが判明した。 3.Tyk2欠損CD4陽性細胞は、野生型CD4陽性T細胞に認められるIL-18とIL-2の刺激に対するIL-4・IL-13産生誘導が観察されなかった。以上の結果から、CD4陽性細胞がIL-4・IL-13産生誘導にいたるIL-18のシグナリングにはTyk2並びにMyD88が必要であることが判明した。 以上のことから、MyD88ならびにTyk2はIL-18の生理活性発現には必須の分子であることが明らかとなった。
|