研究課題/領域番号 |
13670513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清原 達也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50322178)
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研究分担者 |
村山 洋子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
宮崎 義司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303960)
篠村 恭久 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90162619)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | クローン病 / マクロファージ / マウス / IL-10 / エンドトキシン / CD40 / TNFα / IL-12 |
研究概要 |
われわれはクローン病のモデル動物としてIL-10ノックアウトマウスを用いてそのマクロファージの機能異常と腸炎発症の関わりについて解析し、さらにエンドトキシン拮抗剤やCD40リガンドの中和抗体がマクロファージの活性化を抑制して腸炎を治癒させるかについて検討を行い以下の点を明らかにした。 1.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは、大腸菌由来のエンドトキシンに強く反応して炎症性サイトカインであるTNFαやIL-12を過剰に産生する。 2.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは、ヘルパーT細胞によるマクロファージの活性化に関与する受容体分子であるCD40分子の活性化刺激に強く反応して、炎症性サイトカインであるTNF αやIL-12を過剰に産生する。 3.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージの異常な活性化は、内因性のIL-10の産生によるフィードバック機構の欠如による。 4.マクロファージの活性化に際して、そのサイトカイン産生を抑制するような負のフィードバックをかけるシグナル伝達物質であるSuppressor of Cytokine Signalling 3 (SOCS3)については、IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは正常マウスのマクロファージと同等以上の産生能を示した。 以上の結果から、IL-10ノックアウトマウスではマクロファージが腸内細菌やヘルパーT細胞からの活性化刺激に過剰に反応することが腸炎発症に関わっていると考えられた。本結果を基にして、CD40リガンドの中和抗体およびエンドトキシン拮抗剤の腸炎治療効果に関する検討を行った。 5.腸炎を発症したIL-10ノックアウトマウスにCD40リガンドの中和抗体を投与したが、腸炎の程度に変化はなく腸炎発症後の経過にCD40分子の関与は少ないと考えられた。腸炎発症前のCD40リガンド中和抗体の投与による発病予防効果が今後の検討課題と考えられた。 6.腸炎を発症したIL-10ノックアウトマウスにエンドトキシン拮抗剤(E5564)を経口投与したところ、腸炎の改善効果が認められた。しかしエンドトキシン拮抗剤に対する反応性に個体差が認められ、ドラッグデリバリーシステムに関するさらなる検討が必要と考えられた。
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