研究課題/領域番号 |
13670529
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江島 英理 (2002) 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (30231187)
中田 惠輔 (2001) 長崎大学, 医学部, 助教授 (40217740)
|
研究分担者 |
中尾 一彦 長崎大学, 保健管理センター, 助教授 (00264218)
調 漸 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教授 (40264220)
江島 英理 長崎大学, 医学部・付属病院, 助手 (30231187)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | p48 / Interferon-α / eIF2-α / PKR / 肝癌細胞 / TRAIL / IFN-α / eIF2α |
研究概要 |
p48はIFN-αの細胞内シグナル分子の一つであり、IFN-α刺激によりSTAT1、STAT2と共に転写因子ISGF3を形成する。ISGF3はIFN-α誘導遺伝子のプロモーターに存在するISRE配列に結合し、その遺伝子発現を促進する。本研究は、IFN-αの抗腫瘍効果を含めた種々の生物活性に与えるp48遺伝子導入の影響を明らかにすることを目的とした。まず、IFN-aにより誘導される抗ウイルス蛋白double-stranded RNA-dependent protein kinase(PKR)の発現や蛋白翻訳阻害活性に与えるp48遺伝子導入の影響について肝癌細胞(HuH-7)を用いて検討した。p48遺伝子導入によりIFN-α誘導ISRE-reporter plasmidの転写活性は促進され、IFN-α誘導double-stranded RNA-dependent protein kinase(PKR)の発現はmRNA量、蛋白量共に増強された。PKRにより制御される蛋白翻訳開始因子eIF2αのリン酸化に与える影響を検討したところ、p48遺伝子導入によりIFN-α誘導eIF2αのリン酸化は増強された。p48遺伝子導入がPKRによる蛋白合成阻害を促進するかをchloramphenicol acetyltransferase(CAT)蛋白活性、α-fetoprotein(AFP)産生量により検討したところ、p48遺伝子導入とIFN-αの併用により、CAT活性ならびにAFP産生量は明らかに減少したが、CAT、AFP、両mRNA量には全く変化がみられなかった。以上のことから、p48遺伝子導入は、肝癌細胞においてIFN-αによって誘導されるPKRの発現を増強するのみでなく、その蛋白翻訳阻害活性をも促進することが明らかとなった。現在、実際のIFN-αの抗ウイルス活性もp48遺伝子導入により増強されるか検討中である。次に、p48遺伝子導入とIFN-αの併用により肝癌細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導が生じるかを検討したが、明らかな変化は認められなかった。よって、IFN-αのシグナルを増強するのみでは肝癌細胞の殺傷に至らないと考えられた。そこで、(death ligandであるTRAILとIFN-αを併用したところ、3種の肝癌細胞においてTRAIL誘導アポトーシスの増強が認められた。現在、TRAILとp48遺伝子導入+IFN-αの影響について検討中である。
|