研究課題/領域番号 |
13670534
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂牧 純夫 札幌医大, 医学部, 助教授 (00196081)
|
研究分担者 |
岡本 哲郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60332912)
高山 哲治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10284994)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | トロポミオシン / 抗体依存性細胞障害活性 / ELISA / HLA-DP / 液性免疫(6) L-Cell |
研究概要 |
HLA-associated peptideを自己抗体が認識する新たな自己免疫発症機序を解析する目的で以下の検討を行った。 1 活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者28名、緩解期UC患者20名を対象に血清抗トロポミオシン(TM)抗体価をTMを固相化抗原としたELISA法で測定し疾患活動性との相関を検討した。 2 HLA-DPのgenotypeをスマイ法で解析し、TM抗体価との関係を検討した。 3 抗TM抗体価とHLA-DPw9発現マウス繊維芽細胞(L-cell)を標的とした抗体依存性細胞障害活性(ADCC)の相関を検討した。 その結果 1 活動期UC患者では1.63±0.52と健常者0.32±0.28(p<0.05)および緩解期UC患者1.00±0.44(p<0.05)に比較し有意に高値であった。また12名の活動期UC患者を経時的に検討したところ11名が緩解期になり同時にTM抗体価が低下した。 2 活動期UC患者28名中18名がHLA-DPw9(HLA-DPBa0901)でありTM抗体価は全例1.0以上の高値を示した。緩解期UC患者20名中11名がHLA-DPB10901を保有しており内9名が1.0以上であった。 3 10名のUC患者血清TM抗体価とADCC活性を同時に測定したところ、TM抗体価が高いUC患者血清は高いADCC活性を示した(健常者平均+2SD以上)。逆にTM抗体価の低いUC患者血清は低いADCC活性を示した(健常者平均+2SD以下)。またTM抗体価とADCC活性には正の相関が認められた(r=0.932)。 以上の結果から、潰瘍性大腸炎患者の自己抗体である抗トロポミオシン抗体がHLA-DP分子にassociateして細胞表面に表出されるペプチドを認識してADCC機序で細胞障害性に働くことが示され、液性免疫を介した新たな自己免疫発症機序の存在することが示唆された。
|