研究課題/領域番号 |
13670536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高山 哲治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10284994)
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研究分担者 |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / ACF / 大腸癌 |
研究概要 |
1.目的 本研究では、多数の潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象に拡大内視鏡を用いてaberrant crypt foci(ACF)を観察し、UC患者におけるACFの発癌におけるバイオマーカーとしての有用性を解析するとともに、その遺伝子解析を行った。 2.方法と結果 (1)UC患者におけるACFの解析:20人のUC患者を対象に、既報に従い拡大内視鏡を用いて下部直腸領域のACFの観察を行った。その結果、健常人のACF数は平均1.2±1.3個であったのに対し、UC患者では8.7±3.7個と増加していた。 (2)UC患者のACF数と各種背景因子との関係 UC患者のdysplasiaまたは癌を有する者と有しない者について、ACF数、性差、年齢、発症年齢、罹病期間、罹患部位の相関性について検討した。その結果、ACF数と罹病期間との関係を検討したところ、罹病期間が長くなるほどACF数が増加し、両者の間には正の相関性が認められた。特に、dysplasiaや癌を合併した症例ではACF数が多かった。ACF数と性差、年齢、発症年齢、罹患部位との間にはいずれも相関性は認められなかった。 (3)UC患者におけるACF及びdysplasiaにおけるAPC, K-ras, p53解析 UC患者のACF及びdysplasiaにおけるAPC及びβ-cateninの発現を免疫蛍光二重染色で解析したところ、いずれも異常を認められなかった。UC患者のACF及びdysplasiaにおけるK-ras変異の有無をTwo-step PCR RFLP法により検討したところ、前者ではわずか13%に変異を認めたが後者では変異を認めなかった。p53の異常発現はdysplasiaにおいて75%に認めたが、ACFでは認めなかった。 (1)p16遺伝子のメチル化 p16のメチル化の有無をmethylation specific PCR法にて検討した。UC患者のACFとdysplasiaでは、いずれも高率にp16のメチル化を認めた。 (2)UC患者におけるACFのmicroarrayを用いた解析 Affimetrix社のDNA microarrayを用いて解析し、現在clusteringを行っている。 3.結論 UC患者におけるACFの観察は、UC合併癌のサーベイランスに有用であることが示唆された。
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