研究課題/領域番号 |
13670539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305229)
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研究分担者 |
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
山本 博幸 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40332910)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | p16 / 細胞周期 / 癌抑制遺伝子 / メチル化 / 肝発癌 / 早期診断 / 発癌危険因子 / 発癌生体マーカー / 発癌高危険群 / 発癌予測マーカー / 肝癌 / 発癌 / 細胞周期制御遺伝子 |
研究概要 |
細胞周期制御癌抑制遺伝子の一つとして、p16(INK4A)が知られている。このp16に関して、これまで多くの癌腫において、その遺伝子プロモーター領域のメチル化による蛋白発現の低下が発癌に関与していることが報告されている。われわれはこれまで、肝細胞癌において、その遺伝子プロモーター領域におけるメチル化を72.7%に認め、さらに、この肝細胞癌のprecancerous conditionと考えられているウィルス性肝硬変、慢性肝炎においても、それぞれ、29.4%、23.5%と高率に認められることを報告してきた。すなわち、このp16のプロモーター領域のメチル化は肝発癌の非常に早期に生じていることを明らかにしてきた。一方、このp16の蛋白発現の低下に関して、メチル化に匹敵する頻度であり、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌におけるp16蛋白の発現低下はほぼ全て、遺伝子プロモーター領域のメチル化によることを明らかにしてきた。 今回、慢性肝炎の時点におけるp16遺伝子プロモーター領域のメチル化による蛋白発現の低下が肝発癌に寄与しているのか否かを明らかにすることを目的に検討を行った。p16蛋白発現に関しては免疫組織学的検討を行い、また、メチル化に関しては、MSPを用いて行った。その結果、多変量解析においても有意差をもって、慢性肝炎の時点におけるp16蛋白の発現低下は肝発癌に寄与することを明らかにした。 さらに、p16蛋白発現の低下レベルにより、肝発癌の早期予知が可能か否かの検討を行った。その結果、慢性肝炎組織において、p16蛋白陰性細胞の割合が10%以上の症例において肝細胞癌が有意に発生していることを明らかにした。このプロモーター領域のメチル化によるp16蛋白発現の低下は肝発癌の早期予知に大きな意義を有し、さらに、この結果は、そのような症例に対する抗ウィルス療法の早期導入の適否、また、今後、このメチル化を標的とした癌発生抑制を目的とした治療法の開発にも大きな意義を有していると考えられる。
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