研究概要 |
1)培養細胞とその障害治癒過程観察モデルの作成およびTFF発現の検討 すでに我々によって確立された胃粘膜及び結腸の単層培養細胞および欠損治癒過程追跡モデルを用いて、TFFの治癒過程への効果を検討した。またEGF, TGFα,β,HGF, COX-2などの増殖因子などのTFF発現に対する影響を検討した。 2)mRNA発現の定量的解析 TFFのmRNA発現に関しては、pS2 geneのcDNAをRT-PCRを用いて作成した。それをプローブとしてNorthern blottingにより検討し、TFFのmRNA発現をPRISM7700を用いて定量し、各種サイトカインのTFF産生に対する効果を検討した。胃粘膜の分化機能を有した胃癌細胞株MKN45,JR-Stなどを用いて、NSAIDのCOX-2発現、PG産生を検討し、それに与えるTFFの効果、さらにTFF産生との関連をmRNAレベルで解析した。その結果、NSAIDの胃粘膜に及ぼす効果に関して、COX-2を経由する以外に、TFFを経由するルートを見出した。これによって、NSAIDの胃粘膜細胞に対するいわゆる適応細胞保護作用のメカニズムが明らかになった。 3)TFF subtypeの発現とDNA配列の決定 TFFにはTFF1,TFF2,TFF3などのsubtypeの存在が報告されているが、各消化管には未知のTFFが存在している可能性が高い。これらをhomology検索によっで同定、DNA配列を決定し、各疾患との関連性を検討している途上である。 4)DNAアレイ、GFP蛋白の遺伝子導入を用いた研究 消化管各種疾患のTFF発現をDNAアレイにより検討し筒有り、その臨床的意義が明確になる可能性がある。NFkBにGFP蛋白遺伝子を導入しTFFの転写過程を解析している。
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