研究課題/領域番号 |
13670553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
太田 慎一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30185269)
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研究分担者 |
藤原 研司 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80101088)
新井 晋 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20306294)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 大腸癌 / COX-2 / プロスタグランジン / VEGF / PPAR / 大腸腺腫 / 受容体 / 血管内皮増殖因子 / PPARγ / マクロファージ |
研究概要 |
非ステロイド系消炎鎮痛剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs, NSAIDs)には本来の消炎鎮痛作用以外に胃粘膜障害や大腸癌の発生を抑制する作用が報告されている。NSAIDsはプロスタグランジン(PG)合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を抑制し、PG合成を阻害する。NSAIDsによる胃粘膜障害や大腸癌発生抑制にPG合成抑制がどのように関わっているかに関しては議論があり真の機構は明らかにされていないが、誘導性のCOXであるCOX-2が重要な働きをしている事が示唆されている。われわれは大腸だけでなく胃の前癌病変におけるCOX-2の局在と機能的役割を検討した。我々の研究の成果は以下の諸点である。すなわち1.大腸癌の前駆病変であるヒト大腸腺腫においてCOX-2は腫瘍表面下の間質細胞特にマクロファージに高発現していた。2.胃の腺腫ではCOX-2の発現は弱く過形成性ポリープでは大腸腺腫と同様間質細胞に発現していた。3.PGEはEP2・EP4 PG受容体を介してマクロファージの血管内皮増殖因子(VEGF)産生を著明に亢進させた。4.PGI受容体に特異的なリガンドであるシカプロストとイロプロストも劇的にマクロファージのVEGF産生を亢進させた。5.PPARγのリガンドであるPGJ_2誘導体はマクロファージのVEGF産生を劇的に亢進させたが、PPARδのリガンドであるPGI_2誘導体はこの作用が無かった。6.大腸癌細胞株ではPGE受容体やPGI受容体のリガンドではなく、PPARγとPPARδのリガンドに有意のVEGF産生亢進作用が認められた。7.抗潰瘍薬であるレバミピドはマクロファージにおいてPGの膜受容体を介するVEGF・IL-6・IL-8の産生亢進は抑制するが核内受容体を介するこれらのサイトカインの産生亢進には影響を与えなかった。
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