研究課題/領域番号 |
13670556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
秋葉 保忠 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286449)
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研究分担者 |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
中村 正彦 北里研究所, 基礎研究所, 研究員 (30155858)
高木 珠子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286469)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 粘膜防御 / transport / 酸感知機構 / capsaicin感受性知覚神経 / 管腔内pH / 生体顕微鏡 / CFTR chloride channel / sodium bicarbonate cotransport / ion transport / sodium bicarbonate cotransporter |
研究概要 |
平成13年度 1.粘膜防御因子多重測定システムの全消化管への応用 ラット十二指腸において確立した粘膜防御因子測定システムがラット空腸および大腸にも応用可能であることが明らかになった。 2.抗酸粘膜防御機構および酸惹起性上皮細胞傷害の検討 上記システムを用いて、十二指腸における管腔内酸に対する粘膜防御機構がcapsaicin感受性知覚神経および内因性prostaglandinによって制御されることが明らかになった。さらに、病態生理的管腔内pH(1.0-2.0)によって生体顕微鏡下で再現性のある上皮細胞傷害が惹起されること、sodium bicarbonate cotransporter (NBC)を介した細胞内重炭酸イオンの流入が抗酸粘膜防御に重要であることが明らかになった。上記システムにより、空腸においても管腔内酸やタウロコール酸により粘膜上皮細胞内pHが低下し、濃度依存性に細胞傷害性を生じることが明らかになった(投稿準備中)。また、大腸粘膜血流が管腔内pH6.0より増加し、この増加にcapsaicin感受性知覚神経が関与することが明らかになった(投稿準備中)。さらに十二指腸においてindomethacinにより内因性prostaglandin産生を阻害すると管腔内酸に対する傷害感受性が増加することが明らかとなった(投稿準備中)。 3.ion transporterの組織学的検討 ラット十二指腸においてNBCのisoformである膵型NBCがbasolateral膜に発現し、細胞内への重炭酸流入に重要な役割を持つことが明らかになった。 平成14年度 1.粘膜防御機構における知覚神経の検討 ラット十二指腸における管腔内酸に対する粘膜防御機構がcapsaicin感受性知覚神経によって制御されること、知覚神経上のvanilloid receptorがacid sensorとして働き、proton濃度(pH)を感知して粘膜防御機構を作動させることが明らかになった。さらに、胃から大腸までvanilloid receptor-1が粘膜内および筋層内に発現することが明らかになった。この知覚経路は大腸における短鎖脂肪酸吸収にも関与することが明らかになった(投稿準備中)。さらに、酸に対する知覚神経経路は主に迷走神経求心路を介し、内因性経路も関与する可能性が明らかになった(投稿準備中)。 2.空腸における粘膜防御機構の検討 十二指腸においてsodium bicarbonate cotransporter (NBC)を介した細胞内重炭酸イオンの流入が抗酸粘膜防御に重要であることを明らかにした。空腸においてはタウロコール酸惹起性上皮細胞傷害が重炭酸分泌と連動したorganic anion transporter (oatp3)を抑制することで軽減されることが明らかになった(投稿準備中)。また、虚血下の空腸における粘膜防御に上皮細胞上のP2Y receptorが関与することが明らかになった(投稿準備中)。 3.ion transporterの組織学的検討 ラット十二指腸においてNBCのisoformである膵型NBCがbasolateral膜に発現し、細胞内への重炭酸流入に重要な役割を持つことが明らかになった。またCFTRがapical膜に発現し、重炭酸分泌に関与することが明らかになった。 4.ヒト十二指腸粘膜におけるion transporterの発現 倫理上の問題が未だ解決しておらず、検体採取が不十分で、十分な検討まで至らなかった。
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