研究課題/領域番号 |
13670575
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
坂田 隆一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70258424)
|
研究分担者 |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (30341332)
上野 隆登 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 教授 (70176618)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 慢性肝障害 / カテキン / 肝線維化 / 肝硬変 / 肝星細胞 / 肝繊維化 / PDGFレセプター / MAPK / Erk / MEK / Scatchard Analysis |
研究概要 |
1.われわれはこれまでに肝星細胞(HSCs)の培養細胞を用いて、PDGF刺激によるHSCsの細胞増殖ならびに細胞周期の検討を行い、緑茶の有効成分のカテキンがHSCsのG0/G1 arrestを引き起こして、カテキンの濃度依存性にHSCsの増殖を抑制することを明らかにした。 2.カテキンの細胞増殖抑制効果では、cyclin D1やE、p21(WAF1/Cip1)、p27(Kip1)などの細胞周期関連タンパクの関与が機序として考えられているが、われわれは他の報告にある細胞周期関連タンパク変化を受けるカテキンの濃度より低い濃度でもPDGF刺激によるHSCsの細胞増殖が抑制されており、この抑制はErkおよびMEKのリン酸化の抑制をともなう機構であること、さらにはその上流のPDGFレセプターのリン酸化が細胞増殖を抑制する濃度とほぼ同程度の濃度で抑制されていることを明らかにした。 3.カテキンが生体内でも肝線維化の防止に有効かという観点から、ラットの肝硬変実験モデルを用いて生体内てカテキンの血管内投与が肝線維化の進展を抑制しうるかということ検討し、細胞レベルでの結果が実際の生体内においても観察されることを確認した。 4.カテキンの細胞増殖抑制機序として従来は細胞周期関連タンパクへの作用や抗酸化作用が注目されていたが、肝線維化の重要な役割を果たすHSCsにおいては従来とは違う機序、すなわちHSCsの増殖を刺激するサイトカインであるPDGFのレセプターの情報伝達を抑制するという機序を明らかにした。また、実験動物の肝硬変を抑制しうることを明らかにして、この物質が臨床応用に適応しうる可能性を示した。
|