研究課題/領域番号 |
13670599
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
室 繁郎 (2002) 京都大学, 医学研究科, 助手 (60344454)
新實 彰男 (2001) 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252513)
|
研究分担者 |
陳 和夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90197640)
長井 苑子 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30217955)
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 助手
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 咳嗽 / ACE / ACE遺伝子多型 / サブスタンスP / カプサイシン咳受容体感受性 / 咳受容体感受性 / カプサイシン |
研究概要 |
病的で過剰な咳嗽は患者に苦痛と消耗をもたらすためその制御が必要となるが、一方では本来の咳嗽反射は気道に侵入する病原微生物や喀痰などを排除し、呼吸器感染症を防止するために不可欠な生体反応である。咳感受性が低いヒトは病原微生物などの気道内への侵入に対する防御能が弱く、逆に咳感受性が高いヒトはわずかな刺激でも咳嗽を生じやすく過剰な咳嗽に悩まされる可能性がある。従って咳感受性を規定する因子を明らかにすることは重要である。 本研究の目的は、ACE阻害薬の副作用として咳嗽が出現する現象を端緒として注目されてきているACEと咳嗽との関連に着目し、日本人健常者におけるカプサイシンに対する咳受容体感受性と血清ACE活性、ACE遺伝子多型、誘発喀痰中サブスタンスP濃度との関連を検討することである。 咳嗽症状がなく健常と考えられる本学職員および学生などで、喫煙者、呼吸器疾患の既往を有する者、明らかな胃食道逆流症状を有する者、最近の2カ月以内に上気道炎に罹患した者、ACE阻害薬を内服している者は除いて対象を募った。現在までに38例の対象例を集積した.そのうち30例につき、ACE遺伝子多型(ACE遺伝子のintron16に存在するInsertion/Deletion多型)を調べたところ、II 10例、ID 12例、DD 8例であった。背景因子(年齢、身長、体重、呼吸機能)、ACE遺伝子多型、血清ACE活性(比色定量法による)、誘発喀痰中サブスタンスP濃度(EIA法による)とカプサイシン咳受容体感受性との関連について検討したが、現在のところ各所見とカプサイシン咳閾値との関連は明らかではない。引き続き症例を集積している。 また基礎疾患がなく、肺炎を反復する患者において、カプサイシン咳受容体感受性を測定し、年齢、性別をマッチさせた健常群と比較すると、患者群で有意に咳感受性が鈍いことが示された。すなわち咳感受性の鈍化が下気道の易感染性に関与している可能性が示唆された(Niimi A. et al. Thorax 2003)。
|