研究課題/領域番号 |
13670638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
武井 洋一 信州大学, 医学部, 助手 (90273086)
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研究分担者 |
池田 修一 信州大学, 医学部, 教授 (60135134)
徳田 隆彦 信州大学, 医学部, 助教授 (80242692)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 家族性アミロイドポリニューロパチー / トランスサイレチン / ドミノ肝移植 / 質量分析法 / トランスサイレチンモノマー / 肝移植 / ドミノ移植 / モノマー |
研究概要 |
FAP患者およびFAPキャリアを新たに20名確認した。18名がVal30Met typeのTTR変異であったが、50代に手根管症候群で発症し心不全症状が主体の患者で、Tyr69Ile typeトランスサイレチンが明らかとなった。従来知られている約80種類のトランスサイレチン変異がsingle-nucleotide substitutionであるのに対し、この変異は初のdouble-nucleotide substitutionsであった。 FAP患者の肝移植は1993年以降現在までに20例に施行した。さらにそのうちドミノ移植を5例に施行した。ドミノレシピエントの内訳は、4例が肝硬変および肝細胞癌で1例が代謝性肝疾患による高アンモニア血症患者である。ドミノドナーはVal30Met type FAPが4例、Val30Leu type FAPが1例であった。 肝移植を施行したドミノレシピエントの経過観察では、臨床的にFAPを発症する患者はいなかった。また腹壁脂肪吸引生検組織のCongo red染色ではアミロイド沈着は確認されなかった。従って肝移植後2・3年経過したドミノレシピエントでは組織へのアミロイド沈着は認めないことが明らかとなった。肝移植後にFAP患者血清中の変異トランスサイレチンが速やかに消失し、一方ドミノレシピエントでは肝移植後、速やかに変異トランスサイレチンが検出され、数週後には正常トランスサイレチンとほぼ等量が血中で認められた。 ドミノレシピエントの血清中トランスサイレチンモノマーおよびFAPキャリアのモノマー画分はFAP患者のトランスサイレチンモノマー画分に比し相対的に高い傾向があることが、免疫沈降法MALDI/TOF質量分析法にて明らかとなった。組織へのアミロイド沈着におけるモノマー画分の重要性が示唆され、さらにFAPキャリアでのトランスサイレチンの組織への沈着時期を知る上で有用なパラメーターであることが示唆された。
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