研究課題/領域番号 |
13670639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
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研究分担者 |
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助手 (20324585)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アセチルコリン / アルツハイマー病 / 神経伝達物質 / 学習 / 記憶 / コリンエストラーゼ阻害薬 / mRNA / alternative splicing / コリンエステラーゼ阻害薬 |
研究概要 |
本件究補助金が授与された2年間にpChATをアセチルコリン合成酵素とする新しいコリン作動性神経回路について、以下の研究成果を得た。 新しいコリン作動性神経回路の発見 ラット脳でのpChAT局在を詳細に検討した結果、新しいコリン作動性神経回路として、視床下部の隆起乳頭体に細胞体を持ち大脳皮質に投射するニューロンがpChATを含有することを見いだした。視床下部の隆起乳頭体のpChAT陽性神経は、軸索輸送を阻害するコルヒチン投与により、より明瞭に検出される。逆行性トレーサーのコレラトキシンBを大脳皮質に注射したところ、pChAT陽性神経にコレラトキシンBを検出したことから、視床下部の隆起乳頭体のpChAT陽性神経が大脳皮質に神経投射することを確認できた。 ヒトpChATの構造 魚類から哺乳動物まで、pChAT mRNAとその産物についてスクリーニングしたところ、ラット、ネコ、ウシ、サルなどの哺乳動物に広く存在することが判明した。pChATにはスプライシングの違いにより、少なくとも2種類存在する。ひとつは、エクソン6、7、8、9を欠くもので、我々がラット翼口蓋神経節から最初のクローニングしたpChATに相当する。もうひとつは、エクソン7、8を欠くタイプで、これをpChAT2と命名した。しかし、ヒトでは今の所、pChATやpChAT2に相当するcDNAは検出されず、変異スプライシングの機構に違いがあると考えられた。ヒト神経節を検索した結果、エクソン7、8、9を欠くと同時にエクソン6の一部も決失した遺伝子を検出した(HpChATと略す)。 アルツハイマー例におけるpChAT発現 アルツハイマー例および対照例に剖検脳を用いて、pCHATやHpChATの発現を検討した。その結果、既知の「無名質-大脳皮質コリン神経回路」には、いずれにおいてもpChATの存在は確認できなかった。
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