研究課題/領域番号 |
13670640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (90212761)
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研究分担者 |
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10231490)
宮本 享 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70239440)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | てんかん性興奮 / てんかん性抑制 / 補足運動野 / 経頭蓋的磁気刺激 / てんかん発作 / 皮質間連関 / 脱力発作 / 経頭蓋的磁気刺激刺激法 / 皮質電気刺激法 |
研究概要 |
2年間の研究により、てんかん焦点および正常皮質における抑制機構に関して以下の知見を得た。 1)大脳皮質が直接関与する脱力発作の病態機序 臨床的に難治の全身の脱力発作をきたす症例において、長時間ビデオ脳波モニタリング、フルオロデオキシブドウ糖によるポジトロン断層撮影法、MRI等を施行した。その結果、前頭葉あるいは頭頂葉由来の発作時脳波変化に伴い、全身性の脱力発作をきたすことが示された。特に前頭葉についてはFDG-PETの代謝低下領域の所見を考慮すると、前補足運動野がてんかん焦点であることが示され、突発的運動抑制機序に同領域が強く関与することが示唆された。 2)皮質電気刺激によるてんかん性活動の抑制 難治部分てんかん患者4名において、てんかん外科の術前検査のために脳表面に留置された硬膜下電極を通して、てんかん焦点および非焦点を50Hzあるいは0.9Hzの頻度で皮質電気刺激を行い、てんかん焦点における発作間欠期のてんかん性放電の頻度の変化および皮質脳波の背景活動のパワーの変化を検討した。50Hzの焦点刺激により、有意にてんかん性放電の頻度が刺激終了後20分間は減少し、また皮質背景活動は20〜40Hzの周波数帯域において刺激電極に限局したパワーの減少を認めた。一方非焦点の刺激では、皮質背景活動は20〜40Hzの周波数帯域において刺激電極に限局したパワーの減少を認めたが、焦点のてんかん性放電の頻度には影響はなかった。同様の結果は0.9Hzの刺激によってももたらされた。以上より、大脳皮質の電気刺激は、てんかん焦点皮質および正常皮質のいずれにおいても、抑制系の活動の活性化をもたらすことが示唆された。 低頻度経頭蓋的磁気刺激によるてんかん性活動の抑制 内科的治療に対して難治てんかん発作をほぼ毎日起こす側頭葉外てんかん患者6名において、てんかん焦点に対して低頻度磁気刺激(0.9Hz 15分間、4回/週)を施行することにより、てんかん発作の減少の有無を検討した。発作頻度は施行後2週間は平均44%に減少した。しかし夜間にのみ発作をきたす前頭葉てんかん患者では発作の減少は認めなかった。
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