研究課題/領域番号 |
13670663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中野 今治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40092423)
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研究分担者 |
加藤 信介 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60194817)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 頸椎症 / ALS / アストロサイト / 痴呆を伴うALS / 3D-SSP / ALSのみ / 運動ニューロン / apotosis / カスパーゼカスケード / Caspase-3 / 家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 細胞病理像 / Bunina小体 / 硝子様封入体 / 糸束様封入体 |
研究概要 |
【1】頸椎症(CS)との鑑別:CSでは頸椎の運動により頸髄が機械的に繰り返して損傷される.このことから本症はALSの危険因子の1つと考えられているが、明白なCSとALSの合併例の剖検は少なく、ALSのみとCS+ALSとの組織学的差違は明確にされていない.この違いを明らかにしておくことはALSの病態解明の為の基本的データになると思われる.その検索には同一ALS症例での圧迫部位と非圧迫部位を比較することが理想である.そこで、CSとALSを合併した69歳例の脊髄を検索した.本例MRIでは頸髄圧迫が頸椎4/5間レベル(第6頸髄節C6に相当)で高度に見られたが、頸椎3/4間(第5頸髄節C5)、頸椎2/3間(第4頸髄節C4)レベルには見られなかった.剖検ではC6にのみ後方に圧痕が認められた.圧迫の強いC6では圧迫を免れているC4、5よりもニューロピルの粗造化が明らかに強く、ミクログリアが増生していた.また、反応性アストロサイトの増生はC4、5で明瞭であったが、C6前角ではほとんど認められなかった.CSはアストロサイト増生には抑制的に、ミクログリア反応には促進的に作用する可能性が考えられた. 【2】痴呆を伴うALS(ALSD)の脳血流と大脳皮質病理:ALSの一部の患者は特有の痴呆を呈するが、その責任病巣に関しては不明の点が多い.また、生前に3D-SSPにて血流の低下を客観的に確認した例の剖検はほとんどない.我々は5例のALSDの脳血流を3D-SSPで検索し、その直後に死亡した一例が剖検できた.5例全例において、血流は中心前回では保持され、より前方の前頭葉で低下が認められた.剖検例では前頭葉皮質2、3層の海綿状態と斑状のニューロン脱落、皮質深部から直下白質のアストロサイト増生が見られた.後頭葉にはいずれの変化も見られなかった.以上より、本症に於ける血流低下の背景には皮質浅層のニューロン脱落が存在する可能性がある.
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