研究課題/領域番号 |
13670718
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (40260385)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | トランスジェニックラット / GADD153 / 血管平滑筋細胞 / アポトーシス |
研究概要 |
Growth arresst and DNA damage inducible gene (GADD) 153は種々のストレス、特に小胞体に対するストレスに応じて発現・誘導され、細胞周期を停止させ、アポトーシスに関与していることが知られている。私たちは血管平滑筋細胞において、過酸化水素などの酸化ストレスに対してGADD153遺伝子が発現誘導され、その発現誘導は、核内転写因子NF1によって抑制されることを報告した。本研究ではさらGADD153のVSMCにおける働きをin vivoにおいて明らかにする目的で、平滑筋特異的プロモータを利用したトランスジェニックラットの作製を開始した。4回の遺伝子導入で合計72匹のラットが誕生した。導入遺伝子の確認はPCR法を用い、72匹中4匹に遺伝子導入が確認された、Tgラットの外観に特に異常は認められなかった。F1およびF2ラットの作製後、遺伝子発現量をノーザンブロット法、蛋白発現量の解析をウエスタンブロット法により解析した。そして4系統のすべての解析を終了したが、GADD153遺伝子が過剰発現されているはずの大動脈において、GADD153遺伝子および蛋白の発現は極めて低く、wild typeラットとその発現に大きな差を認めなかった。私たちは以前VSMCのアポトーシスの誘導とともに、GADD153遺伝子および蛋白が発現誘導されること、さらにVSMCにGADD153を過剰発現させた場合、アポトーシスを誘導することを報告した。今回の研究でラット4匹にGADD153遺伝子導入が確認されたが、大動脈におけるGADD153発現は、wild typeラットと差を認めなかった。また、同じプロモータを利用しCCAAT/enhancer-binding protein (C/EBP) δのTgラットを作製したが、一回の遺伝子導入で14匹の遺伝子導入に成功した。以上のことから、GADD153遺伝子が導入されかつGADD153蛋白を過剰に発現しているラットは、胎生致死である可能性が示唆される。このことは、以前の私たちの検討と合致するものであった。残念ながらGADD153を過剰発現したラットを得ることはできなかったが、生体におけるGADD153の働きを推測する上でも、有用な研究であったと思われる。
|