研究課題/領域番号 |
13670719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久保田 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40325444)
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研究分担者 |
市来 俊弘 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (80311843)
筒井 裕之 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (70264017)
下川 宏明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00235681)
内海 英雄 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20101694)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 心不全 / サイトカイン / 一酸化窒素 / 活性酸素種 / NF-kB / トランスジェニックマウス / 酸化窒素 / 活性酵素種 |
研究概要 |
研究代表者の久保田が開発した心筋特異的TNF-α過剰発現マウスを用いて心不全治療の新たな標的分子を明らかにすることが、本研究の目的である。NO、活性酸素種、NF-kB、アンジオテンシンについて検討した。 1.NO TNF-α過剰発現マウスの心筋ではiNOSの発現が亢進していた。選択的iNOS阻害薬であるONO-1714にてβ刺激時の陽性変力作用が有意に改善された。iNOSノックアウトマウスとの交配によってiNOS遺伝子が欠損したTNF-α過剰発現マウスを作成したところ、β刺激時の陽性変力作用は有意に改善したが、心筋の肥大や炎症に変化はなく、生存率の改善も得られなかった。炎症性サイトカインによる心筋障害の成因として、NO以外の経路がより重要であることが示唆された。 2.活性酸素種 TNF-α過剰発現マウスの心筋では活性酸素種の産生が亢進し、ミトコンドリアが障害されていた。シクロフォスファミドによって炎症細胞の浸潤を抑制しても活性酸素種の産生は不変であった。培養心筋細胞にTNF-αを作用させたところ、活性酸素種の産生増加とミトコンドリアDNAの減少が観察された。TNF-αはミトコンドリアを傷害することで活性酸素種の産生を亢進させ、心筋障害をもたらしていることが示唆された。 3.NF-kB TNF-α過剰発現マウスの心筋ではNF-kBが活性化されていた。NF-kB(p50)ノックアウトマウスとの交配によってNF-kBが欠損したTNF-α過剰発現マウスを作成したところ、サイトカインの発現や炎症細胞の浸潤に明らかな変化はなかったが、より早期より心不全を発症するオスにおいて生存率の有意な改善が得られた。NF-kBは、炎症だけでなく、心筋の肥大と心不全の発症において重要な働きを担っていることが示唆された。 4.アンジオテンシン TNF-α過剰発現マウスの心筋ではACE活性が亢進していた。 以上より、心不全治療の新たな標的分子として、活性酸素種とNF-kBの重要性が明らかとなった。
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