研究課題/領域番号 |
13670741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
秋下 雅弘 杏林大学, 医学部, 助教授 (00261975)
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研究分担者 |
須藤 紀子 杏林大学, 医学部, 助手 (10323578)
鳥羽 研二 杏林大学, 医学部, 教授 (60155546)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レニン・アンジオテンシン / 内皮細胞 / アポトーシス / 過酸化水素 / 血管傷害 / 内膜肥厚 / アンジオテンシン変換酵素阻害薬 / アンジオテンシン受容体拮抗薬 / 血管障害 |
研究概要 |
酸化ストレスによる血管内皮細胞(EC)アポトーシスの過程にレニン・アンジオテンシン系(RAS)が関与するかどうかを検討する目的で、ラット血管傷害モデルおよび培養ECを用いて、RAS調節による効果とその作用機序について解析した。ラット頸動脈内への低濃度過酸化水素短時間曝露によりECアポトーシスを誘導した。頸動脈組織のアンジオテンシン変換酵素(ACE)活性は増加せず、むしろ24時間後にはEC剥離に伴い低下した。傷害24時間後の頸動脈見開き標本を作製、Hoechst33342によるクロマチン染色から、アポトーシスEC数をカウントした。術前3日間の投与により、ACE阻害薬テモカプリルおよびAT1受容体拮抗薬オルメサルタンはECアポトーシスを抑制し、逆にアンジオテンシンIIはECアポトーシスを増加させた。また、テモカプリルの3日間投与で傷害2週間後の内膜肥厚は減少したことから、ECアポトーシスの抑制が内膜肥厚抑制につながった可能性が考えられる。培養ウシ頸動脈ECに対する過酸化水素曝露を行い、24時間後にアポトーシスを定量した。テモカプリルおよびオルメサルタンの添加によりECアポトーシスは有意に抑制されたが、AT2受容体拮抗薬PD123319は影響しなかった。また、NO合成酵素阻害薬L-NAMEの添加はテモカプリルの抑制効果に影響しなかった。アポトーシスに関連するシグナルとして、ERK、JNK、p38MAPキナーゼ、Aktの4種類のセリン/スレオニンキナーゼについて検討した。過酸化水素曝露30分後にはいずれの活性も上昇したが、アポトーシス誘導性のp38MAPキナーゼ活性のみテモカプリル添加により抑制された。以上の結果から、酸化ストレスによる血管障害の過程で、RAS、特にアンジオテンシンII-AT1受容体経路は、内皮細胞アポトーシスとそれに続く血管病変形成に促進的に作用すると考えられた。
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