研究課題/領域番号 |
13670757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
出口 寛文 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90131341)
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研究分担者 |
藤岡 重和 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20319528)
浮村 聡 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50257862)
北浦 泰 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50084950)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 拡張型心筋症 / 心臓移植 / ウイルス性心筋炎 / コクサッキーウイルス / サイトカイン / パーフォリン / ノックアウトマウス / PCR |
研究概要 |
(A)拡張型心筋症(DCM)患者の心臓移植摘出心を用いた研究 米国Henry Ford Heart & Vascular Research InstituteのSabbah教授の協力により得られた重症心不全患者の心臓移植の摘出心筋(DCM患者30例)で検討を加えた。同じく提供を受けた正常心6例も検索した。 (1)光顕所見の半定量的評価:DCM患者の組織学的検索では18例(60%)に2+以上の線維化、14例(47%)に2+以上の細胞浸潤が認められた。なお、組織学的にactive myocarditisと診断されたものは4例(13%)であった。正常群ではこのような所見を認めなかった。 (2)サイトカインの検索:PCRを用いてIL1-α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-8、IL-10、IL-12p35、IL-12p40、IL-15、IFN-γ、TNF-αの定量的評価を行った。DCM群12例、正常群6例を検索した。DCM群でIL-1βは5例(42%)、IL-8は5例(42%)で著明な上昇が認められた。IL-12p35、IL-15、IFN-γは各々1例(8%)に上昇を認めるも少数例にとどまった。TNF-αは上昇したものはなかった。 (3)ウイルス学的検索:従来のBatista切除心筋ではエンテロウイルス陽性群7例中5例にsense鎖、antisense鎖ウイルス遺伝子がみられ、組織中のリンパ球浸潤が高度であった。ウイルスゲノムの詳細を検討すべく患者心筋からエンテロウイルスゲノム全長を検討中である。現在まで3'末端から4kBのPCR産物を得ている。現在シークエンスを決定中である。 (B)トランスジェニックマウスおよび野生種の心筋炎後心筋症モデルを用いた研究 パーフォリンノックアウト(pfa)マウス、野生種(C57BL6)にLPS処置後コクサッキーBウイルスを接種し、心筋炎を惹起、経日的に心筋を検索した。野性種ではリンパ球浸潤が著明であり、電頼ではリンパ球の接着した心筋細胞では空胞形成、筋原線維の融解、核変化などの変性像を認める。一方、pfaでは間質に軽度のリンパ球浸潤を認めるのみである。電顕では野性種と同様のリンパ球に接着を示す心筋細胞は見られるが変性像は認めない。これらのことより、pfaでは野性種に比して心筋炎の程度は明らかに減少し、心筋細胞障害にはパーフォリンの関与が極めて重要であることが示唆された。pfaでは心筋壊死はほとんど見られず、ウイルスそのものによる心筋細胞障は極めて少なく、リンパ球介在性心筋細胞障害が主と考えられた。
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