研究概要 |
心不全ラット冠抵抗動脈のflow induced dilation (FID)の変化とEDHFの役割と機序を検討。方法;冠動脈結紮による心不全ratとsham ratの冠抵抗動脈を摘出。両端をカニュレーションし,径を測定。shear stress刺激による内皮依存性弛緩反応におけるPG12,NO, EDHFの関与の検討はコントロール, indomethacin (IND)存在下,IND+NG-monomethy-L-arginine (L-MMA)存在下,IND, L-MMA, KCI存在下に行った。NOの関与はINDとIND+L-MMA存在下での曲線間、EDHFの関与は、IND+L-MMAとさらにKCIを加えた時の曲線間、PG12の関与はコントロールとIND存在下での曲線間として検討。EDHFの弛緩機序を調べるために,17-ODYA, tetrabutylammonium, apamin+charybdotoxin (ChTx)を用いた。径の変化はnitroprussideを100%として求めた。結果;心不全のFIDはshamと有意差なく減弱はなかった。L-NMMAのFIDの抑制は対照群が心不全群より有意に大であった。心不全群ではcharybdotoxin (CTX)/apaminとKCIによるFIDの抑制は対照群に比べ有意に大であった。CTX with apamin, or tetrabutylarnmoniumは有意にFIDを抑制したが17-octadecynoic acidは効果はなかった。INDの抑制は両群とも有意ではなかった。FIDは内皮除去では消失した。結語;EDHFを介した血管拡張の機序には、Kチャンネル、特にKcaチャンネルが関与していると考えられた。心不全ラットの冠動脈抵抗血管においてEDHFが減弱したNO-dilationを代償する可能性が考えられた。
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