研究課題/領域番号 |
13670769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
関 幸彦 久留米大学, 医学部, 助手 (00279168)
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研究分担者 |
新山 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (30309778)
桑原 史隆 久留米大学, 医学部, 助手 (90279167)
甲斐 久史 久留米大学, 循環器病研究所, 助教授 (60281531)
明石 英俊 久留米大学, 医学部, 講師 (80184084)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 動脈硬化 / インターフェロンγ / interferon-gamma / STAT3 / 新生内膜増生 / グラフト不全 |
研究概要 |
(1)INF-γR/Fc遺伝子導入法の確立: INF-γR細胞外ドメインに免疫グロブリンFc鎖を結合させたHA-taggedキメラ遺伝子を作成し発現プラスミドベクターpVR1255に組み換えた(pV1255INF-γR/Fc)。pV1255INF-γR/Fcをブピバカイン前処置後、naked DNA法にてマウスあるいはラット大腿骨格筋に筋注導入し局所でINF-γR/Fcタンパク質を発現、血中に分泌させた。導入局所骨格筋および血中のINF-γR/Fc発現は、導入後1日以降第2-3日をピークとし少なくとも第14日までは有意な発現を認めた。また、繰り返し投与(2週間ごと)により有効な血中濃度を維持しえた。 (2)ラツト頸動脈傷害モデル: a.INF-γR:Fc遺伝子治療 INF-γR:Fc遺伝子(治療群)またLacZ(対照群)遺伝子導入2日後に、左総頸動脈に血管傷害を加えた。治療群において14日後に内膜肥厚が対照群に比して約40%抑制された。対照群でみられたStat3リン酸化・新生内膜平滑筋細胞増殖が治療群では有意に低下していた。病変へのT細胞・単球などの炎症細胞浸潤は両群間に差はなかった。INF-γが傷害血管においてStat3活性化を介して新生内膜形成を引き起こすことが示唆された(英文専門誌投稿中)。 b.ドミナントネガティブSTAT3遺伝子治療 傷害血管内膜形成におけるStat3の意義を検討するため、ドミナントネガティブStat3(dnStat3)遺伝子をバルーン傷害直後の血管壁にアデノウイルスを用いて導入した。dnStat3導入によりStat3リン酸化・新生内膜平滑筋細胞増殖が抑制され、新生内膜平滑筋細胞アポトーシスが亢進し、その結果新生内膜が50%減少した(Human Gene Ther 2003。また、Rhoキナーゼ特異的阻害剤Y27632全身投与によって、新生内膜平滑筋細胞特異的にアポトーシスが亢進し、新生内膜が40%減少した(Circulation 2002)。その機序に、Y27632による向アポトーシスBclファミリータンパク質Baxの発現亢進が関与していることを見いだした(J Cardiovasc Pharmacol, in press)。 (3)動脈硬化モデル: ApoEノックアウトマウスを用いて、以下の検討を行った。動脈硬化病変が完成するApoE-KO群12週令からINF-γR/Fc遺伝子導入を(2週間毎)行い、16,20,24週令に動脈硬化病変(動脈硬化面積、内膜肥厚、脂質沈着、T細胞・単球などの炎症細胞浸潤、平滑筋細胞増殖・アポトーシス・形質転換、組織線維化、プラーク安定化スコア)を評価し、動脈硬化の発症を予防しうるか、進行を遅らせることができるか否かを現在検討中である。遺伝子治療群において、動脈硬化面積・内膜肥厚が抑制され、プラーク安定化スコア高値である結果が得られており、鋭意解析中である。 (4)静脈グラフトモデル: 家兎大腿動脈を切除し自家静脈グラフトで再建すると静脈グラフトの内膜肥厚による狭窄が生じた。このモデルに、術前3日前から2週間毎にINF-γR:Fc遺伝子導入を行ったところ、56日後の開存率を30%改善した(英文専門誌投稿準備中)。
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