研究課題/領域番号 |
13670781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (60197796)
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研究分担者 |
亀田 隆 秋田大学, 医学部, 助手 (00301119)
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 肝幹細胞 / アルブミン / コラーゲン / 無アルブミンラット / 細胞移植 / 代謝性肝疾患 / 肝上皮細胞 / 細胞分化 / 肝臓幹細胞 / α-フェトプロエイン / コラーゲンゲル / コラーゲンスポンジ / 肝星細胞 |
研究概要 |
1.目的 (1)申請者らが確立した方法によって分離した、正常な機能を保持していると考えられるラット肝臓幹細胞(肝上皮細胞)を移植に適した状態に加工し、充分な治療効果が期待できる肝細胞移植法を確立する。 (2)移植された幹細胞の肝臓内での動態あるいは機能を検討し、ウィルソン病のみならず他の代謝性肝疾患に対する治療として、幹細胞移植が効果的であるか否かを明らかにする。 2.成果 (1)健常ラット肝臓の非実質細胞画分から肝臓幹細胞と考えられる未分化な肝上皮細胞株を樹立できた。 (2)この細胞は、核・細胞質比が高い小型の細胞(径20μm)であった。また、アルブミンやサイトケラチン18・19など成熟細胞のマーカー蛋白は発現しておらず、α-フェトプロエインを発現していたことから、未分化な性質を持った細胞であることがわかった。 (3)幹細胞に分化能があるかどうかを調べるために、コラーゲンゲル内での3次元培養、あるいは肝星細胞との共培養を行ったところ、アルブミンの発現が認められるようになり、幹細胞が成熟した細胞に分化できることがわかった。 (4)幹細胞を組織工学的にどのように加工すれば、in vivoで肝細胞として機能できるどうかを検討した。幹細胞をコラーゲンゲルあるいはコラーゲンスポンジを用いて無アルブミンラットに移植したところ、移植後に血清アルブミン量の増加を示した無アルブミンラットは、コラーゲンゲルを移植担体に用いた群では67%に、コラーゲンスポンジを用いた群では57%に認められた。また、移植が成功した例での血清アルブミンの変化を見ると、移植後10週から血清アルブミン量が増加し始め、25週頃まで維持されていた。 3.まとめ 本研究で樹立した肝上皮細胞は未分化で分化能を持っている幹細胞であることが明らかとなった。また、肝幹細胞としての性質を持った肝上皮細胞をコラーゲンを用いて組織工学的に加工して移植したところ、無アルブミンラット血清中のアルブミン量が増加したことから、肝上皮細胞が生体内で分化し、肝細胞として機能できることがわかった。 以上のことから、幹細胞を利用した細胞移植は代謝性肝疾患に対する治療法として、臨床応用が可能であることが示唆された。
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