研究概要 |
1)発現ベクターの作製:OTT, MAL, OTT-MAL融合遺伝子の遺伝子配列を、PCR法を用いて増幅し、得られたそれぞれの遺伝子断片をサブクローニングしCMVプロモーターをもつ発現ベクターに組込みが終了した。 2)発現ベクターの遺伝子導入:NIH3T3細胞、またはMYC遺伝子、RAS遺伝子をそれぞれ恒常的に発現するRat-1細胞株にOTT, MAL, OTT-MALのそれぞれを組み込んだ発現ベクターをリポフェクション法によりトランスフェクションをした。G418による選択を行い、安定して遺伝子を発現するクローンを得ることができた。NIH3T3ではtransformationの有無をfocus能により、Rat-1細胞ではコロニー形成能で判定した。また、細胞周期の変化をPI染色によるFACS解析により観察し、OTT, MAL, OTT-MALでの差異を調べた。 3)アンチセンスDNAの作製:phosphorotioate修飾したOTT-MAL融合遺伝子の接合部位に特異的な16-20merのアンチセンス遺伝子断片を合成し、HIS細胞培養上清に24時間おきに5-20μg/mL添加する。対照としてセンス、ランダムオリゴマーを用い、アンチセンスにより特異的にHISのmRNAが減少することをRT-PCR法で確認し、HIS細胞に起こる細胞変化(形態、アポトーシスの有無、細胞周期変化、表面型質変化)を観察した。 4)微小残存白血病細胞の検出:実際の症例(インフォームドコンセント済)の初診時、寛解時の骨髄血、末梢血からRNAを抽出し、Real-time PCR法による残存白血病細胞の定量を行い臨床経過を観察し、その相関を調べた。
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