研究課題/領域番号 |
13670857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
大平 美紀 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 研究員 (20311384)
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研究分担者 |
影山 肇 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 上席研究員 (50260253)
中川原 章 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 部長 (50117181)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 1p36 / 神経芽腫 / ホモ欠失 / ポジショナルクローニング / がん抑制遺伝子 |
研究概要 |
ヒト1番染色体短腕p36領域には、神経芽腫をはじめ様々な腫瘍において染色体欠失が高頻度に見つかることから、がん抑制遺伝子の存在が示唆されている。我々は神経芽腫細胞株のひとつに1p36領域における約500kbのホモ欠失を同定し、そこに存在する遺伝子の同定とその詳細な解析を行ってきた。今年度は以下の解析を行った。 1)ホモ欠失領域の6つの遺伝子についての神経芽腫におけるエピジェネティックな遺伝子発現変化の有無の検討 RT-PCR-SSCPによる変異検索の結果、6つの遺伝子内の神経芽腫検体における塩基置換の頻度は低かった。しかし、半定量RT-PCRによる発現解析により、予後不良の神経芽腫の検体群において、少なくともこれらのうち3つの遺伝子の発現が予後良好な検体群と比較して1/3以下に低下していたことから、この領域のメチル化による遺伝子発現抑制が起っているかどうかを検討した。まず8種類の神経芽腫細胞株に5-azadimethylcytocineによる処理を行い、処理前と処理後の細胞株からRNAを調製し、5つの遺伝子についてこれを鋳型とした半定量RT-PCRを行った。いずれの細胞株においても遺伝子の発現が見られたため、完全なメチル化は受けていないことがわかったが、その中でも処理前後で若干発現の変化がみられた1つの遺伝子について、さらにプロモーター領域の同定が必要と考えられた。また、この遺伝子はスプライシングの違いによる少なくとも4種類の異なるフォームがあり、それらが組織特異性をもつことが示唆されたため、その詳細な解析を引き続き行っている。 2)ホモ欠失領域のマウスにおけるシンテニー領域のクローニングとそのゲノムシーケンシング ホモ欠失領域の遺伝子群のマウスのホモログをESTデータベースから検索し、4つのマウスBACクローンを単離した。そのうち3クローンについて約660kbのゲノムシーケンシングを終了した。シーケンシングは理研ゲノムセンター・服部正平博士らのグループ、東大医科研ヒトゲノム解析センター・榊佳之教授らのグループとの共同により行った。上記の遺伝子の5つについてそれぞれcDNAのエキソンマッピングを行い、その遺伝子構造を明らかにした。さらに多数のスプライシングフォームを持つ残り1つについては、今後ヒトとマウスとの比較によるプロモーター部位を含めた詳細な解析を行う予定である。
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