研究概要 |
紫外線照射により正常表皮細胞から産生・放出されるサイトカインのmRNAレベルをRT-PCR法で培養上清の蛋白レベルをELISA法によって検討し,以下のことが判明した. ・IL-1αはmRNAレベルは変動ないしは抑制がかかるが,蛋白レベルでは上昇を,IL-1β,IL-6,IL-8,GM-CSF, TGF-β1,TNF-α,IL-12はmRNAレベル,蛋白レベルともに産生亢進が認められた. ・PGE2のは産生亢進 ・NGFの産生亢進 紫外線照射により人体は紅斑反応という炎症反応,細胞性免疫抑制,表皮細胞アポトーシスが惹起されるが,それらに対してさまざまな防御機構を有している.それらのうち紫外線照射が誘導する上記表皮細胞由来のサイトカイン自身が拮抗的な役割を果たし,防御機構の一翼を担っている可能性がある.すなわち・TGF-β1の抗炎症効果・IL-12による抗免疫抑制・NGFによるアポトーシス抑制などが考えられる. これの可能性についてさらに検討を進めていく予定である.
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