研究概要 |
アトピー性皮膚炎感受性遺伝子の候補遺伝子であるinterleukin-4 receptor alpha chain gene (IL4RA)のプロモーター領域について、今までに4つの多型(-327C/A, -326A/C, -186A/G, -184A/G)を見いだし、alpha haplotype (...AC...A.A)はbeta haplotype (...CA...G.A...)よりもプロモーター活性が高く、さらにalpha haplotypeがアトピー性皮膚炎患者に有意に多く、尋常性乾癬患者に有意に少ないことを報告してきた。 さらにその上流領域の解析にて、新たに2つの多型(-1914T/C, -3223C/T)を認めた。-1914T/Cの多型では、C alleleの頻度がアトピー性皮膚炎患者において健常人コントロールと比べて有意に高く(p=0.0027)、-3223C/Tの多型では、T alleleの頻度がアトピー性皮膚炎患者において健常人コントロールと比べて有意に高かった(p=0.0021)。-1914T/C、-3223C/Tのいずれの多型においても尋常性乾癬患者では健常人コントロールと比べて有意差は認められず、アトピー性皮膚炎患者と尋常性乾癬患者間でも有意差は認められなかった。また、-1914T/Cと-327A/T、以前に血清IgE値との相関が報告されたIL4RAの150Vの多型について統計学的に解析したところ、強い連鎖不平衡が認められた。 さらに、IL4RAのプロモーター領域を-3314から+190までクローニングし、5'-deletion mutantを作成した。これを用いたルシフェラーゼアッセイにて、-140から-97の領域に強い転写活性化領域を認めた。
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