研究課題/領域番号 |
13670903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
岡本 祐之 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10142291)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肉芽腫 / マウス / MOP / アジュバント / DNP / 単球 / 巨細胞 / T細胞 / MDP / 骨髄細胞 / インターフェロン / IL-3 |
研究概要 |
免疫学的機序に基づいて発症する肉芽腫の形成機序を明らかにするために、MDPと抗原結合アガロース粒子の投与により、抗原感作マウスに皮膚肉芽腫を形成し、その反応に関わる免疫細胞とサイトカインの特性を検討した。DNPにて感作したマウスの背部皮膚にMDP+Freund's adjuvantを投与し、同部にDNP結合アガロース粒子を皮内注射し皮膚肉芽腫を誘導したところ、肉眼的に顕著な皮膚変化は認められなかった。しかし、組織学的には巨細胞を含む肉芽腫反応が観察された。肉芽腫を構成する細胞成分を明らかにするために、免疫染色を行うと、CD3+細胞が肉芽腫周囲と軽度肉芽腫内に散在し、CD4+細胞とCD8+細胞はほぼ同等に分布していた。一方、単球系マーカーの検討では、CD14+細胞が肉芽腫を構成していたが、組織マクロファージ特異的MMGL+細胞は肉芽腫内には観察されなかった。皮膚肉芽腫の誘導に関与するT細胞亜分画をサイトカイン産生の点から検討すると、IFN-γ+細胞がIL-4+細胞よりも優位であったため、誘導された肉芽腫反応はTh1反応であることが示唆された。皮膚肉芽腫構成類上皮細胞の前駆細胞の同定のためにGreen fluorescent protein(GFP)トランスジェニックマウスより次の細胞を調整した。1)末梢血単球、2)末梢血単球から分化したマクロファージ、3)正常皮膚より分離したMMGL陽性真皮マクロファージ、4)腹腔マクロファージ、5)骨髄単球系前駆細胞、6)骨髄単球系前駆細胞をGM-CSF/IL-4刺激で得た樹状細胞。これらを肉芽腫形成マウスに経静脈的あるいは皮下に投与し、肉芽腫構成細胞中のGFP陽性細胞の分布を観察したところ、新鮮骨髄細胞の投与時のみ、GFP陽性細胞が観察された。皮膚肉芽腫構成類上皮細胞のサイトカイン反応性の検討するために、肉芽腫組織を採取後、抗CD3、抗B220、抗MMGL抗体処理し、リンパ球とマクロファージを除去し24時間培養する。付着細胞を採取し、肉芽腫形成に関与すると想定されているIFN-γ、IL-3、IL-13、IL-10に対する増殖能をBrdUの取り込みで検討したところ、わずかにIFN-γ、IL-3に対して反応が認められた。以上のことより、肉芽腫の形成は骨髄よりあらたに組織浸潤した細胞が構成し、IFN-γ、IL-3が肉芽腫形成に重要な因子であると考えられる。
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