研究課題/領域番号 |
13670904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川田 暁 近畿大学, 医学部, 助教授 (90160986)
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研究分担者 |
高原 英成 茨城大学, 農学部, 教授 (30122063)
手塚 正 近畿大学, 医学部, 教授 (20013964)
荒金 兆典 近畿大学, 医学部, 講師 (40232045)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ペプチヅルアルギニンデイミナーゼ / ヒト毛細胞 / PAD T4 / cDNA / 大腸菌発現系 / トリコヒアリン / モノクローナル抗体 / 免疫組織化学 / ペプチジルアルギニンデイミナーゼ / ヒト毛細管 / 大腸菌発現 / Two-cistran / ヒト毛嚢 / cDNAクローニング |
研究概要 |
毛組織は毛母細胞から分化した内毛根鞘、小皮質、髄質細胞から構成され、発毛の根源をなす。毛母細胞は表皮基底細胞と同様角質終末分化をたどる点で共通しているが、その生化学的研究は極めて乏しい。ペプチジルアルギニンデミナーゼ(peptidylarginine deiminase, PAD)は、タンパク質の翻訳後修飾酵素であり、標的タンパク質の塩基性領域を無電価に変換することにより、標的タンパク質間相互作用および他タンパク質との結合に変化を与える。PADには、アイソフォームが存在しそれぞれ様々な組織に存在するが、その生理機能に関しては殆ど不明である。PADに関する研究は、G.E.Rogeresが1977年にモルモットの毛嚢の抽出液中にタンパク質のアルギニン残基をシトルリン残基に変換する酵素活性を見出すことに端を発している。その後、PADに関する研究は組織中に含量の多いPADアイソフォームが中心となり、毛嚢のPADに関する研究は殆ど行われていない。 本研究では、ヒト毛母初代培養法により毛細胞を調製後、ホモログPCR法によりヒト毛細胞特異的PAD(以下PAD T4)のcDNAクローニングに成功し、その塩基配列解析により全アミノ酸配列を明らかにした。ついで、ヒトPAD T4のcDNAの大腸菌での発現ベクターの構築と精製、および組換え型酵素の酵素化学的性質について明らかにした。毛の新生と調節に毛細胞特異的タンパク質(トリコヒアリン)が重要な役割を果たしているが、本タンパク質にシトルリン残基の存在が知られており、ヒトPAD T4の標的の一つとしてトリコヒアリンがある。本研究では組換え型ヒトPAD T4がトリコヒアリンを基質とすることを証明した。さらに、組換え型ヒトPAD T4に対する特異的抗体を作成し、免疫組織化学によるヒトPAD T4の組織・細胞分布を検討した、その結果、本酵素は毛細胞の内毛根鞘に多く存在することが明らかとなった。本組織には上述のトリコヒアリンも局在しており、本酵素がトリコヒアリンを標的にしていることを裏付ける知見を得た。
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