研究課題/領域番号 |
13670917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
織内 昇 群馬大学, 医学部, 助教授 (40292586)
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研究分担者 |
遠藤 啓吾 群馬大学, 医学部, 教授 (10115800)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ポジトロンCT / F-18-FDG / 遺伝子治療 / FMT / オクトレオチド / 脳腫瘍 / [C-11]choline / ソマトスタチン / SSTR / F-18-FMT / C-11-choline |
研究概要 |
脳腫瘍に対する遺伝子導入ならびに発現の画像化と定量化の第一段階として、腫瘍細胞のポジトロン核種標識トレーサー集積の定量評価を行った。星細胞腫SW1088ならびに神経膠芽腫U-118MGのF-18標識deoxyglucose(FDG)の取り込みは細胞数に依存して増加し、それぞれ細胞数15×10^4で26.7%、21×10^4で32.5%であった。また、アミノ酸代謝、すなわち蛋白合成のマーカーと考えられるF-18標識methyl tyrosine(FMT)の取り込みは、SW1088が細胞数7.5×10^4で7.7%、U-118MGは細胞数10.8×10^4で7.4%であった。細胞膜を構成するphosphatidyl cholineの前駆体であるcholineのポジトロン核種標識体であるC-11標識cholineの取り込みも神経膠芽腫細胞の細胞数依存性に増加し、17×10^4で11.2%であった。また、取り込みはインキュベートする温度および時間にも依存し、取り込みは37℃では4℃よりも高く、30分後では10分後よりも高かった。 以上の結果から脳腫瘍細胞SW1088ならびにU-118HGは糖代謝、蛋白合成、細胞膜のマーカーであるポジトロン核種標識化合物を取り込み、それらの定量評価が可能であった。これらの化合物は、脳腫瘍をはじめ種々の癌の診断に用いられ、定量的評価が診断に有用であることが明らかにされている。次に臨床例において脳腫瘍をはじめとする腫瘍の診断におけるポジトロン核種標識トレーサーの有用性評価を行った。臨床的にはFDGが腫瘍診断のためのトレーサーとして広く用いられているが、偽陽性の多いことが指摘され、腫瘍の悪性度や治療効果の評価にはアミノ酸製剤やC-11標識cholineなど細胞増殖をよりよく反映するトレーサーとの対比の必要性が考えられた。オクトレオチドは10個のアミノ酸からなるソマトスタチンアナログであり、インジウム(In-111)標識体によりソマトスタチン受容体のイメージングが可能である。また細胞障害性の強いY-90で標識することによりソマトスタチン受容体を発現する腫瘍の治療にも用いられている。 ソマトスタチン受容体SSTR遺伝子導入は今年度までの研究では行うことができなかった。ソマトスタチン受容体を発現する腫瘍のIn-111-DTPA-D-Phel-octreotideによる画像化と遺伝子導入は最適な手法を選択したうえで今後の課題としたい。
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