研究課題/領域番号 |
13670933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平吹 度夫 阪大, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00189862)
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研究分担者 |
田中 壽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40294087)
藤田 典彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283763)
中村 仁信 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116071)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 小児 / 脳脊髄液動態 / 中脳水道 / MRI / 流速測定 / 頭蓋内コンプライアンス / 水頭症 |
研究概要 |
今年度は、cine phase-contrast MRIで得られる流量が実測流量と一致することをファントムで確認の上、まず中脳水道で、心拍動に同期する脳脊髄液の流速を測定する撮像条件の最適化を図った。面積の小さい部位での流速の測定精度をあげるために撮像範囲を小さく、マトリックスを大きくして空間分解能を上げ断面内のpixel sizeを0.63×0.63mmとして、中脳水道の占める領域が最小でも複数のpixelになるように条件を設定した。同時に、断面の厚さを4mmと薄くすることで測定誤差の軽減を図った。 次いで、広い年齢層にわたる健常小児22人(8か月から9才)を対象として、実際に上記の条件で撮像し脳脊髄液の動態解析を行った。得られた画像を既存のワークステーションに転送し、解析ソフトを用いて中脳水道の流速、時間的流速波形および流量を解析した。さらに試験的に4人の交通性水頭症児の脳脊髄液の動態解析も行った。 その結果、健常小児の中脳水道のピークの流速、時間的流速波形および1心拍の流量は年齢によらずほとんど一定であった。一方、水頭症児では全例で、ピークの流速および1心拍流量が正常範囲(平均+2SD)を超えていた。これは成長に伴って頭蓋内コンプライアンスが多少変動しても、その変化は中脳水道の流速や流速パターンには反映されないが、他方、交通性水頭症では、頭蓋内コンプライアンスの減少が異常に大きいことを示唆している。 今後さらに健常者と交通性水頭症児のデータを蓄積し、頭蓋内コンプライアンスの変化と中脳水道の脳脊髄液動態との関係を確立する必要がある。また、心拍動に同期する脳脊髄液の流速を頭蓋底でも測定し、より直接的に、頭蓋内コンプライアンスと脳脊髄液動態との関係を明らかにする必要がある。
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