研究課題/領域番号 |
13670934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋川 一雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70281128)
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研究分担者 |
村瀬 研也 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50157773)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 脳血管性痴呆 / 脳血流SPECT / フラクタル次元 / アルツハイマー病 / 脳血栓性痴呆 / 能血流SPECT |
研究概要 |
脳血管性痴呆(MID)はアルツハイマー病(AD)と並ぶ痴呆を来す代表的疾患である。近年、脳血流SPECTが痴呆性疾患の鑑別に広く用いられるようになったが、MIDでは特異的所見に乏しく、視覚的評価では診断が困難なことも多い。我々は、SPECT画像の不均一性の定量化法としてフラクタル解析を用いる方法(機能的三次元フラクタル解析法:3D-FA)を開発した。本研究は3D-FA法のMIDの評価およびADとの鑑別診断における有用性の検討を目的とした。平成13年度にはMID群18名を対象とし、正常コントロール群18名(C群)と比較検討した。Tc-99m HMPAO SPECTを施行し標準的再構成法にて脳血流断層像を得た。各個人の脳血流断層像に複数の閾値を設定しそれぞれの閾値を超える脳組織voxel数を求めた。次に閾値とvoxel数の回帰直線を求め、その傾きを機能的フラクタル次元(FD)とした。MID群ではC群に比較してFDの有意な低下を認めた。また、MID群において痴呆の程度とFDの間に有意な負の相関を認めた。この結果はJournal of Neurology(T.Yoshikawa,2002)に発表した。平成14年度には、MIDとADの鑑別における本法の有用性を検討した。対象は、MID群22名およびAD群32名、C群20名である。3群におけるFDおよびFDの前後比(A/P比=前方領域のFD/後方領域のFD)を算出した。C群に比較して、AD群およびMID群のFDの有意な低下を認めたが、AD群とMID群間には有意差を認めなかった。MID群の平均A/P比はAD群に比較して有意に低値であった。以上の結果は、本法によって求めたFDは痴呆の程度を評価する客観的指標となり得ると考えられた。また、FDの前後比によるMID群とAD群の鑑別診断の可能性を示した。
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