研究課題/領域番号 |
13670943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
伊東 克能 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (00274168)
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研究分担者 |
菅 一能 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (90171115)
松永 尚文 山口大学, 医学部, 教授 (40157334)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 上腸間膜静脈血流 / 脾静脈血流 / 肝硬変症 / 門脈血流分布 / 非造影MRA / Tagging pulse / MRI / 門脈血流 |
研究概要 |
脾静脈血流と上腸間膜静脈血流の門脈内および肝実質内血流分布を評価するために、正常ボランティアに対し、非造影MR angiographyによる門脈血流分布イメージングを行った。これにはまずTagging pulseを使わない非造影MR angiographyを撮像し参照画像とする。この画像では門脈本幹および肝内門脈枝は高信号に描出される。次に上腸間膜静脈にTagging pulseを印加することにより、上腸間膜静脈血流の信号はこのpulseの効果で抑制される。信号が抑制された上腸間膜静脈血流はデータ収集の間に門脈内に移動することから、門脈内の信号低下域として観察される。同様に脾静脈にもTagging pulseを印加したのちにデータ収集を行うことにより脾静脈血流の流入域の判定を行う。この結果、上腸間膜静脈血流は正常人では主に門脈の右側に沿って、一方、脾静脈血流は主に門脈の左側に沿って、層流を形成しながら門脈内を流れていることが示された。次に食事前後の影響を検討したところ、食前では脾静脈血流が門脈本幹内を優位に流れている場合が多かったが、食後では上腸間膜静脈血流が門脈本幹内を優位に流れることが多くなっており、血流の優位性の逆転がみられた。また食事前後での上腸間膜静脈血流、脾静脈血流それぞれの血流増加についてみたところ、上腸間膜静脈血流はほぼ全例で増加がみられたのに対し、脾静脈血流は増加、変化なし、低下がそれぞれほぼ均等に認められた。疾患群における検討では肝硬変症例では正常人と異なって、上腸間膜静脈血流が主に門脈の左側に沿って、一方、脾静脈血流は主に門脈の右側に沿って、層流を形成しながら門脈内を流れている場合があり、正常人との分布域の逆転がみられた。また上腸間膜静脈血流の脾静脈内への逆流を示す症例も認められた。肝硬変症では正常人と異なる門脈血流分布を呈することが示された。
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