研究課題/領域番号 |
13670954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小井戸 一光 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90153460)
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研究分担者 |
永倉 久泰 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 集束超音波 / 肝癌 / アポトーシス / 肝腫瘍 / 熱凝固 |
研究概要 |
集束超音波の肝腫瘍に対する抗腫瘍効果を検討する目的で以下の実験を行った。 1.集束超音波の肝癌に及ぼす病理組織学的変化の検討 非担癌ラット(5匹)の皮膚に集束超音波を照射し、照射直後に屠殺した。その結果、病理組織学的には当該部位の壊死と周囲の炎症が著明で、細胞の膨化と空砲変性・核濃縮・細胞膜損傷に伴う細胞破壊が観察された。KDH肝癌を移植したラット腫瘍における変化も正常組織と同様であった。以上の結果より正常皮膚のみならず移植肝癌に対して集束超音波は変性壊死を惹起せしめることを明らかとした。 2.ラット移植肝癌に対する集束超音波の抗腫瘍効果の検討 WKAH/HKmラット(22週齢)10匹に移植された腫瘍径3.6±0.4cmのKDH-8肝癌を用いて集束超音波による抗腫瘍効果を腫瘍発育速度と生存期間から検討した。腫瘍は30W×1.0秒以上のエネルギーで全て消失した。また、10W以下のエネルギーだと腫瘍は全て増大しており、抗腫瘍効果は照射エネルギーに依存することが明らかとなった。一方、未照射群と照射群では有意に照射群の生存率は延長していた(P<.05)。未照射群は全て原病死であった。 3.ラット移植肝癌に対する集束超音波のアポトーシス発現 ラット肝癌KDH-8の培養細胞に集束超音波照射を施行した。照射直後にヘキスト33258蛍光染色し6時間後に蛍光顕微鏡にてアポトーシス細胞を検出した。各照射エネルギーにて任意に5視野を設定し対応する位相差顕微鏡における全細胞数に対する検出されたアポトーシス細胞の発現率を検討した。また未照射群でも同様の検討を行った。結果は40W×1.0秒以上の照射エネルギー群と30W×1.0秒の照射エネルギー群ではアポトーシスは有意に後者が発現率が高かった(P<.05)。以上のin vitro, in vivoの検討より以下の点が判明した。(1)ラット移植肝癌に対して集束超音波を照射すると腫瘍は熱凝固と壊死をきたす。(2)抗腫瘍効果は照射エネルギーに依存する。(3)適当な照射エネルギーの設定により集束超音波は腫瘍細胞にアポトーシスを惹起する。
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